Netflix実写版『ONE PIECE』の改変の妙 冒険を彩るシャンクス、コビー、ガープらに注目

 今年の夏は異常なまでの暑さが続いているが、8月31日からはさらにアツい日々がはじまるーー。そう、Netflixにて実写版『ONE PIECE』が独占配信されるのだ。予告編を何度も観たが、再生するたびに逸る気持ちが抑えられない。一刻も早く、ルフィたちとともに冒険に繰り出したいのだ。

『ONE PIECE』予告編 - Netflix

 これまでに筆者は、主人公・ルフィが率いる麦わらの一味の再現度に言及するコラムと、バギーやアーロンたち敵キャラクターへの期待を込めたコラムを書いてきた。今回はその第3弾。ルフィたちと深く関係し、物語の展開を盛り上げる存在たちについて書いてみたい。

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 全8話からなる実写版『ONE PIECE』で描かれるのは、予告編に収められているシーンから察するに、おそらく原作の12巻あたりまでのようだ。物語が時系列どおりに進んでいくならば、序盤ではシャンクスやコビー、ウソップが麦わらの一味に加わる過程にはカヤが登場し、サンジの父親的な存在である料理人のゼフ、ナミの姉・ノジコ、さらにはルフィの祖父にして伝説の海兵・ガープが登場することに。ちなみに原作の12巻までにガープは登場しないため、ここにドラマ化に際しての改変の妙があるのではないかと思われる。

 シャンクスといえば、ルフィが海賊になるきっかけを作った人物であり、後の大海賊の一人となる存在。演じるのは英国人俳優のピーター・ガディオット。日本ではあまり知られていないが、シャンクス役を務めるのに相応しいキャリアを積み上げてきた俳優だ。マンガではそのあまりの強さから、本格的な実戦のシーンはほとんど描かれていない。つまり、その一太刀や、視線の動きや声だけで周囲の者を圧倒してきたわけだ。このあたりをどのように演出し、ガディオット自身がどう表現するのか。これによってキャラクターの説得力は変わり、ひいては作品の説得力にまで影響を与えるだろう。

 コビー役のモーガン・デイヴィスは子役出身者だ。コビーといえば正義感はあるものの頼りない人物。物語序盤のアルビダとのやり取りやルフィとのかけ合いをどう演じるのか注目だが、ヴィンセント・リーガン演じるガープが登場することを考えると、正義感あふれる強き人物へと変化するさまにも期待してしまう。そう、海軍本部の中将であるガープの弟子として、やがては大変身を遂げるからだ(ヘルメッポとともに)。しかしこれが原作で描かれるのは45巻のことだから、何ともいえないところである。

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