「イニシアチブは全て私が握り、あなたたちは私の方針には絶対服従」

　『トリリオンゲーム』（TBS系）において、ハル（目黒蓮）がドラゴンバンクの社長令嬢・キリカ（今田美桜）にビジネスの話を持ちかけると必ずこのように返される。キリカはハルから気に入られ、会社の窓に「I’ll take you all（お前ごといただく）」と宣言されていても簡単になびくことはない。むしろ、そのセリフをそっくりそのまま返すというように、ハルとガク（佐野勇斗）を手に入れ、自分の支配下に置こうとしている。不敵に笑うその顔には美しさの中に、しびれるほどのかっこよさがある。

　そんなキリカを演じているのが、前クールで放送された『ラストマンー全盲の捜査官ー』（TBS系）に続いての連続ドラマ出演を果たしている今田美桜。『ラストマン』では全盲のFBI特別捜査官・皆実（福山雅治）の捜査をアシストする技術支援捜査官・吾妻ゆうきを演じていた。吾妻は学生時代に皆実のことを知って憧れを抱き、「自分も警察官になり人助けをしたい」と本人に点字の手紙を送るほどの努力家。少々引っ込み思案で、地味なところはあったが、皆実が頼りにする優秀な捜査官だった。そのようなひたむきで真面目な役柄も心にじんわり響いてくるのだが、「欲しいものはすべて手に入れられる」と信じて疑わず、高飛車な様子を隠しもしないキリカのようなキャラクターを嫌味なく、魅力的に演じられるところが今田の素晴らしいところである。

　今回、注目したいのが、一部からは”桐姫“と呼ばれているキリカのファッションだ。キリカがいつも着ているのは、思わず「こんなの、キリカしか似合わないよ!?」と言いたくなってしまうほどド派手でかわいいもの。しかも社長令嬢らしく、おそらくその全てが高級ブランドのものだ。

　たとえば、ハルとガクを含めた新卒者の最終面接の際にキリカが着ていたワンピース。これは真っ赤ではあるけれどシンプル、かと思いきや、肩から腕にかけて大きなリボンが何個もついている大胆なデザインのもの。そして、手に持っているのは赤のモノグラムが特徴的なバッグ。これらはどちらもヴァレンティノのものだ。ワンピースとうまく組み合わされている赤のサテン生地が美しいヘアバンドはロジェヴィヴィエのもので、下世話な話になってしまうが、これだけで10万円以上のお値段がついている。足元を彩る、これまた赤が美しいヒールはクリスチャンルブタンのもの。さらにキリカはこれに数十万円はするであろうポメラートのジュエリーをいくつか身につけている。すごいと思って調べてみたら本当にすごいのだから驚きを通り越して震えてしまった。