『ウソ婚』進藤が匠に送った本音の「結婚おめでとう」 切なさを倍増させる渡辺翔太の表情

 当たり前かもしれないけれど、他人とまったく同じ感情を共有することはできない。たとえば、花火を見て「綺麗だな」と惚れ惚れする人がいれば、「音がうるさい」と嫌悪感を抱く人がいるように。同じものを見ていても、受け取り方はさまざまだ。それでも人間関係がうまく保たれているのは、それぞれが本音と建前を使いこなしているから。

 しかし、どんなに演技がうまい人でも、本音で言っている言葉と、建前で言っている言葉には、微妙なニュアンスのちがいが生じる。そう考えると、『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)第5話で、進藤(渡辺翔太)が匠(菊池風磨)に送った「結婚おめでとう」という祝福は、本音で言っていたような気がしてならない。

『ウソ婚』第5話、“進藤”渡辺翔太襲来 “匠”菊池風磨が“八重”長濱ねるとのなれ初めを告白

Sexy Zoneの菊池風磨が主演を務める火ドラ★イレブン『ウソ婚』の第5話が、8月8日23時よりカンテレ・フジテレビ系で放送さ…

 前回、匠に思いを寄せていることが判明した進藤。いくら偵察といえど、好きな人が自分以外の人と新婚生活を送っている家にお邪魔するのは、かなりしんどかったはずだ。せめて、匠の妻の八重(長濱ねる)がちょっと嫌なやつだったら。「匠の奥さん、最低でしたよ」なんて、レミ(トリンドル玲奈)に愚痴を吐けるような失態をおかしてくれたら。進藤の気持ちも、少しはラクになったかもしれない。

 たが、実際に話してみて、八重がすごくいい子だと分かってしまった。そして、匠の気持ちが、確実に八重に向いていることも。となると、この時点で進藤の選択肢は二つしかない。これからも匠のそばにいるために、八重の存在を受け入れるか。それとも、匠から離れて、すべてを忘れて生きるか。前者を選択すれば、確実につらい未来が待っている。好きな人の前で照れくさそうに笑う好きな人を、目の前で見なければならないのだから。

 でも、進藤は私が想像していた以上に、愛が深い人なのだと思う。そうでなければ、八重のことを知ろうとする必要はない。八重の前で、自分のつらい気持ちを明かす必要だってない。きっと進藤は、八重のことを好きになろうとしたのではないか。好きな人の、好きなものを、自分も同じように愛する。愛が深くなければ、できないことだ。

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