『最高の教師』九条が未来の後悔に触れる 自分の“居場所”を見失ってしまった江波
いずれにせよ、若者、とりわけ中高生のなかに“自分の居場所がない”と感じている人が増えているという社会問題が大きく取り沙汰される昨今。なかば他者に依存するかたちで自分の居場所を見つけ出そうとする江波の姿は、かなり具体のともなった描写に見える。それだけに終盤の公園で栖原が江波に語る一連。このドラマのテイストに似つかわしくないほど青春ドラマをしているわけだが、ひとつひとつの台詞にしっかりと“居場所”というテーマに対する作り手の考えが表出されており、それが告白というかたちに重ねられることでより直球で、説教めいてない、ドラマティックなものになっているといえよう。もういっそ、このまま栖原と江波の甘酸っぱい青春ドラマを見ていたいと思ってしまうほどだ。
また一方で、前回鵜久森と友達になった阿久津(藤崎ゆみあ)と東風谷(當真あみ)、そして不思議なノリで彼女たちの輪に介入し、九条の映画を撮りたいと言いだした星崎(奥平大兼)。4人が一緒に出かけた先で栖原と浜岡と遭遇した後、一行は居酒屋「べすとほっぷ」を訪れる。そこでは瓜生と向坂(浅野峻哉)がバイトしており、工学研究会の面々はいないが“九条派”の生徒たちの大部分が一堂に会したことになる。学校内では化学準備室が、学校外では「べすとほっぷ」が彼らの大事な“居場所”というわけか。
■放送情報
土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、川本光貴、白倉碧空、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
演出:鈴木勇馬
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
チーフプロデューサー:田中宏史
主題歌:菅田将暉「ユアーズ」
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
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