趣里×森山未來×塚本晋也監督『ほかげ』11月公開 戦争を生き延びた人々の痛みと闇を描く
主演に趣里、共演に森山未來を迎えた塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、11月25日に公開されることが決定した。
『鉄男』で劇場デビューを果たして以降、数々の作品を手がけてきた塚本監督。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』の流れを汲んだ本作では、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問う。塚本監督は本作について、「終戦企画と銘打って準備撮影を進めた『ほかげ』。世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります」と語っている。
主演を務めるのは、2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜擢された趣里。孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出し、戦争に翻弄されたひとりの女性を演じる。片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者として活動している森山。淡白な性格ながらも、心の奥底に潜む怒りや悲しみを持っている役どころとなる。
コメント
塚本晋也(監督)
『ほかげ』は、『野火』『斬、』の流れを汲む作品になります。研ぎ澄まされた感性の趣里さんと森山未來さん、そして新しい才能と魅力的な俳優さんたちが、終戦直後の火と影の世界を生きてくださったー。
終戦企画と銘打って準備撮影を進めた「ほかげ」。世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります。
趣里
憧れの塚本組。一生忘れられない経験をさせていただきました。最高のキャスト、スタッフさん、そして塚本監督と映画作りが出来たことが本当に幸せです。たくさんの心に留めておかなければならないことを教えていただきました。一瞬一瞬の感覚が愛おしく、悲しく、今でも忘れられません。
「ほかげ」
どうか皆さまに届きますように。
森山未來
戦後の騒乱をさまよう報われない魂たち。そんな生きた亡霊たちを執拗に追い続けるまなざし。荒廃した世界で必死に生き延びようともがく主人公の無垢な瞳を通して見える世界は、塚本監督のまなざしそのものであり、あるいは、あなたの目に映る、私たちが生きるこの世界に対する視座でもあるのかもしれません。このような素晴らしい作品に関わらせていただけたことを、心から嬉しく思っております。
■公開情報
『ほかげ』
11月25日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督:塚本晋也
出演:趣里、森山未來
製作:海獣シアター
配給:新日本映画社
©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
2023年/日本/95分/ビスタ/5.1ch/カラー
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