田辺桃子、木村多江に続く“薄幸オーラ”俳優に? 表情で魅せる悲しみの感情

 「占いに行ってから、奇妙な夢を見るようになった。その後、何者かによって私は殺された」「家の隣にイケメンが引っ越してきた。数年振りに恋をしたが、彼は自分のストーカーだった」「大好きな彼氏の家に元カノが転がり込んできた。いきなり三角関係になった」

 ……いざ自分の身に起きたらゾッとするような出来事ばかりだが、これらはドラマの設定であり、すべて同じ俳優が被害者側を演じている。今注目の若手・田辺桃子だ。

 『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)にて、田辺は第1話にゲスト出演。奇妙な夢に悩む倉持結花を演じた。あることをきっかけに殺されてしまうのだが、犯人の動機が不憫でならない。彼女にも多少悪いところはあったが、まさか殺されてしまうなんて。

 田辺と小関裕太がW主演を務めるドラマ『癒やしのお隣さんには秘密がある』(日本テレビ系)は、7月7日に第1話が放送されたばかり。隣に住むイケメンが自分のストーカーだと知ったとき、主人公の蓬田藤子(田辺桃子)はどうなってしまうのか。このドラマは、ハッピーエンドになるのか?

 そして現在放送中の『スイートモラトリアム』(TBS系)では、上条小夜(田辺桃子)の彼氏・柏木心(鈴鹿央士)の自宅に、彼の元カノ・大森りんご(小西桜子)が転がり込む。心と小夜の関係は次第にギクシャクするが、小夜がある提案をして……。

 こうした作品を立て続けに観たからか、田辺に対しては、薄幸(はっこう)な役を演じるイメージがある。木村多江が、いわゆる「幸薄い役」を演じ、薄幸俳優の代表格となったが、田辺もまた「幸せ」に恵まれない役を演じるのがうまい。特に彼女の表情を見ていると、演じている人物が何に苦しんでいるのかが手にとるように分かる。美しい表情から溢れ出る彼女の“悲しみ”や“苦しさ”が伝わってくるのだ。

 一方で、こんな役を演じることも。浅葱空豆(広瀬すず)と海野音(永瀬廉)の恋模様が描かれた『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)にて、田辺は謎の女性・菅野セイラを演じた。物語終盤、彼女の本当の恋心を知ったとき、胸が締め付けられた。ただ、彼女にも悪いところはあったけど……。

『リコカツ』で“ザ嫌な女”役をまい進 田辺桃子が4月期連ドラ3作で見せるふり幅

現在放送中のTBS系連続ドラマ『リコカツ』で永山瑛太演じる緒原紘一に思いを寄せる航空自衛隊航空救護団の副パイロット・一ノ瀬純を演…

 『リコカツ』(TBS系)では、一ノ瀬純役を熱演。彼女は、主人公・咲(北川景子)の夫・紘一(永山瑛太)に憧れを抱いていた。それゆえに森林に咲を置き去りにしたり、「(紘一と)別れたほうがいい」と助言したりと、悪いムーブを繰り返す。SNSでは、パーティーに筑前煮を持っていき、咲にマウントをとった一ノ瀬を揶揄するように「筑前煮女」と呼ばれるようになった。

 人を傷つける行為をしたために、結果的に自分の心までも傷つけてしまった2人。作品は違えど、後にセイラと一ノ瀬は、共通してある行動に出る。やったことは許されないが、今もどこかで幸せに暮らしていてほしいものだ。

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