森田剛が放つ“光”と“影”に圧倒される 『DEATH DAYS』はオーディオコメンタリーも必聴

 ドキュメンタリー映像『生まれゆく日々』は、そうして意気投合した2人が作品を生み出していく様子が丁寧に収められている。部屋中に散りばめられたCDなど舞台演出にも近い演出を感じる『DEATH DAYS』の世界観に対して、こちらは森田がいきなり自前の自転車でやってくるほどのノンフィクション感満載。

 時折ボーっと一点を見つめる静かな時間が流れることも。個人的には、森田が衣装合わせで着古した感じのある洋服についた「毛玉」に注目していたところにニヤリとしてしまった。それは、森田がかつてバラエティ番組『ミッションV6』(TBS系)で「俺、毛玉許せないんだよ」と話していたことを思い出したからだ。

 また、森田、長久監督、そして編集者の長嶋太陽が本編を観ながら話を進めていく音声特典のオーディオコメンタリーも必聴だ。例えば、森田が雑踏で車に乗るシーンを受けて「絶対乗りたかったんですよね、車! うれしかったなー!」と声を弾ませたり、あるいは、コンビニの蕎麦を食べるシーンを見ながら「食べますよ。ほぐし水も知ってました」と話し、「ロケとかで弁当とか地べたで食うの好きっすよ」と続けるなど、本編の「虚」と森田の「実」が入り交じる。そんなドキュメンタリーやオーディオコメンタリーの生っぽさが、死と向き合う本編のメッセージをより鮮明にしていく。

 言わずもがな森田は、若き頃からトップアイドルとしてお茶の間に親しまれてきた存在だ。だが、その一方で驚くほど庶民的な感覚を掴んでいると感じる場面がある。それこそ「毛玉」も然りだ。その人間味が、観る者の心を鷲掴みにする演技に繋がっているような気がする。いや、もしかしたら光の中にいたからこそ、人が落とす影の形を繊細に見つめてきたのかもしれない。

 「偶像」とも言われるアイドルと、1人の人間である「実像」と。その2つの「人生」を生きてきた森田にとって、この「生と死」を掲げた本編、そして「虚と実」が対になって一つの作品として完成した今回のBlu-ray&DVDは、まさに俳優・森田剛の名刺代わりとなる作品と言えそうだ。

 ファンタジックな世界観も、リアルな人間臭さも、若く衝動的な20歳も、経験を重ねた40歳も……いずれも説得力を持って表現することができる。そんな森田が今後どのような俳優人生を歩んでいくのか。そして、それはいつまで続くのか。未来は誰にもわからないから面白い。そんな彼の表現を見つめていくことができる日々に、思わず「やったね」と言いたくなった。

■リリース情報
『DEATH DAYS/生まれゆく日々』
7月5日(水)発売

<Blu-ray>
価格:6,380円(税込)

<DVD>
価格:5,280円(税込)

【仕様・封入特典】
・アウタースリーブケース
・『DEATH DAYS』Special CD
1.DEATH DAYS
2.Arena y Sol
3.主よ御許に近づかん
4.1 year ago
5.結婚行進曲
6.月の光

【映像特典】
・公開初日舞台挨拶
・予告集

【音声特典】
『DEATH DAYS』オーディオコメンタリー(森田剛×長久允監督×編集者・長嶋太陽)

発売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
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