『クレイヴン・ザ・ハンター』予告編の注目ポイント解説 スパイダーマンとの対決を示唆?

ランボー×ターザン=クレイヴン

 さて今回の予告編ですが、当然スパイダーマンは出てきません。映画オリジナルの設定でクレイヴンの誕生を描く映画になりそうです。ラッセル・クロウ演じるモラハラ親父に軟弱な息子として見捨てられた若者が覚醒。「親父がもたらした悪を始末してる」と言っているところをみると、その父親が絡む悪の組織と戦っている。ここで注目なのは倒すのではなく殺しまくっているところです。まるでランボーですよね。かなりバイオレンス。実はこの映画はR指定なんです。ここ最近のマーベル系では『パニッシャー:ウォー・ゾーン』『デッドプール』2作、『LOGAN/ローガン』以来でしょうか? あの人喰いヴェノムや吸血モービウスでもRではなかったので、製作陣もかなりハードなアクション映画を目指していると思われます。

 注目したいのは、ライオンの血が彼の体内に取り込まれ、DNAに組み込まれたようなシーンがあることです。また、目が人間の目から獣のそれに変わりますよね。これは象徴的な表現なのか、それこそスパイダーマンの蜘蛛、モービウスのコウモリみたいに獣の血(DNA)と融合したことでパワーを得たのか。また、クレイヴンが動物を操れる(意思疎通できる)というのも興味深い。原作コミックではハンターですから元々動物を狩る人です。しかし今回は動物たちの仲間なんですよね。ターザンのようです。

 途中何度か出てくる女性、これが原作コミックで彼に秘薬を飲ませるカリプソでしょう(演じるのは『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ)。

まさかのライノ登場?

 2分17秒目あたりに蜘蛛がいっぱい出てきますよね。将来的なスパイダーマンとの対決を示唆しているのではないかと期待しちゃいます。『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』でも意味深に蜘蛛が出てきましたからね。ちょっと嬉しいのはこの後、コミックのイメージに近いコスチュームを着て槍を持つところです。これぞクレイヴン!

 さてビックリなのは最後に「なぜ俺が“ライノ”か知りたいか?」というセリフとともに、手がなにかに覆われていく人物の登場。要はライノという怪人物が出てくるということですよね。ライノとは日本語でサイ。あの動物のサイです。そして、スパイダーマンのコミックではサイを模した特殊なスーツを着たヴィラン。アンドリュー・ガーフィールドの『アメイジング・スパイダーマン2』のラストで出てきました。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ではアンドリュー版スパイダーマンがこのヴィランについて話すくだりもあります。

 また現在大ヒット中の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の中でも元いたバースに送還させられるヴィランとしてライノが出てきます。

 なんとなくソニー・ピクチャーズはライノ推しの感じがしますが(笑)、また新たなバージョンのライノが出てきてクレイヴンと戦うのでしょうか?

 手がなにかに覆われていたのは、あれが全身に広がってライノになるのかもしれません。

 今のところ本作がスパイダーマンとリンクするのか、あるいはヴェノムやモービウスと絡むのかわかりませんが、予告でもお披露目になったクレイヴンの身体能力。車を追いかけたりヘリコプターに立ち向かっていったり。他のキャラと戦わせてみたいですよね(スパイダーマンとクレイヴンの街中追いかけっことかぜひ観たい!)。

 クレイヴンがどんなふうに暴れてくれるのか、そして、ソニーのスパイダーマン映画世界をどういうふうにひっかきまわしてくれるのか、楽しみです。

■公開情報
『クレイヴン・ザ・ハンター』
2023年秋公開
監督:J・C・チャンダー
脚本:アート・マーカム&マット・ホロウェイ、リチャード・ウェンク
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、アリアナ・デボーズ、フレッド・ヘッキンジャー、アレッサンドロ・ニヴォラ、クリストファー・アボット、ラッセル・クロウ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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公式サイト:https://www.kraven-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/KravenMovie_JP

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