『どうする家康』松本潤×岡田准一の凄まじい緊張感 亀姫役・當真あみのはかない笑顔も

 この2人のやりとりを目前に、信長が家康に求めているものを唯一感じ取っていると思しき人物がいた。それが亀姫だ。亀姫は信長にすがりつく強右衛門をかばい、信長の前へ出ると「亀は奥平殿のもとへ喜んで参ります!」と頭を下げた。その折、こんなことを口にしたのだった。

當真あみ、『どうする家康』松本潤&有村架純から学んだ役への姿勢 「追求心を見習って」

第21回までの放送を終えたNHK大河ドラマ『どうする家康』。毎週魅力的な人物が登場している中、第17回から物語に“癒やし”を与え…

「亀はもうわがままを申しませぬゆえ、どうか仲直りしてくださいませ!」

 「仲直り」という言葉に心動かされる。純朴な亀姫には、家康と信長が決して「白兎」と「狼」のような関係に映っていないことがうかがえる。最終的には、家康は信長に圧されてしまうものの、家康は誰もが恐れる信長と対等に向き合おうとする唯一の存在でもある。第14回で柴田勝家(吉原光夫)が「徳川様がおられる時だけでござる。我が殿が機嫌がよいのは」と伝えたように、家康がいる時だけに見せる信長の顔がある。亀姫が家康と信長の間をとり持つために信昌への輿入れを受け入れたことで、家康と信長らしい間柄をかいま見ることとなった。

 思えば亀姫の実直さは、強右衛門の心をも動かしている。岡崎演じる強右衛門の存在感はSNS上で反響を呼んでいた。織田信長・徳川家康の援護という吉報を味方に伝えるため、長篠城へ帰っていく途中、強右衛門は武田に捕えられてしまう。一度は味方を裏切る強右衛門だったが、彼の脳裏に亀姫の姿が浮かぶ。亀姫は強右衛門の手が汚れていることなど気にも留めず彼の手を握ると「ようございましたな、強右衛門殿! 奥平殿にお伝えくだされ。どうか持ちこたえてくださいませと!」と笑顔を向けた。強右衛門を励ました亀姫の存在が強右衛門を奮い立たせ、彼は自らの命も顧みず援軍が来ることを伝え、味方の目前で処刑されるという壮絶な最期を迎えた。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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