『らんまん』志尊淳のボーイ姿に心をガッチリ掴まれる “竹様”と“若”の二人三脚
竹雄は、家に帰れば慣れた手つきでアイロンがけもこなす。その途中、竹雄は万太郎に自身の肖像画を描いてほしいと頼むのだった。これは、高知の綾(佐久間由衣)に自分の絵を送ろうという思い付きからきていた。数々の植物画で皆を唸らせてきた万太郎が描いてくれるのだから、ずいぶん期待もあったのではないか。しっかりとポーズをとり、素敵に描いてもらおうとする竹雄の姿が愛らしい。だが、出来上がってきた絵は想像を超えた出来栄え。これにはさすがの竹雄も不服を申し立てるのであった。
このエピソードは笑い話のような楽しい時間だけでは終わらない。この時、万太郎は似顔絵を描きながら研究室に馴染めない苦しさを吐露するのであった。すると竹雄は、万太郎に対して「研究室のお人らはさぞご苦労されて大学の門をくぐられたがでしょう。けんど、わしは捨ててきたもんの重さなら若は引けをとらんと思うちょります」と力強く背中を押す。いつだって万太郎は竹雄にとっての“自慢の若”なのだ。そんな思いがひしひしと伝わり思わず胸が熱くなる。このシーンにSNSでは「竹雄だからこそ言える励ましの言葉」「やっぱり万太郎には竹雄だ!」の声が上がった。
これをきっかけに万太郎は、また前を向いて歩きだす。ちょっぴり下手だった竹雄の似顔絵は綾に送られることはなかったが、研究室の野宮(亀田佳明)と打ち解けるきっかけになってくれた。自分を理解してくれる人がいるからこそ人は強くなれる。竹雄がわかってくれているから万太郎は頑張れるのだ。東京での生活を二人三脚で乗り越えようとする万太郎と竹雄の姿をこれからも見守りたい。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK