『らんまん』『半分、青い。』『なつぞら』 絵を描く朝ドラ主人公の練度を振り返る

 連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)の主人公・万太郎(神木隆之介)は、子どもの頃からたくさんの植物の絵を上手に描いてきた。大人になり、東京大学の植物学教室に通い始めた万太郎は、ボタンの花の絵を描き、教授の田邊(要潤)を感心させていた。その絵は、菓子屋・白梅堂の娘・寿恵子(浜辺美波)のために描いたもので、万太郎から絵を受け取った寿恵子は、「目の前で咲いてるみたい」と、とても喜んでいた。

 万太郎を演じている神木隆之介は、細い筆を使ってボタンを描くシーンを好演していた。神木自身も子どもの頃から絵が得意で、長年にわたって絵を描いているそうだ。高校生の頃、アニメが好きだった神木は、人物をキャラクターのように描く練習をしたがうまくいかずに挫折し、絵が上手な人に憧れたんだとか。(※1)

 それでも、絵を描くことが好きだという神木は、『コントが始まる』(2021年/日本テレビ系)に出演していた頃は、共演者の菅田将暉や仲野太賀と一緒に、撮影の空き時間にお題を決めて絵を描き、同じく共演者の有村架純の絵を描いたりして楽しんでいたという。そんな神木だからこそ、万太郎が植物の絵を描くシーンも巧みに演じることができるのだろう。

 過去の朝ドラには、万太郎のほかにも絵を描く主人公がおり、主演俳優たちは役になり切って絵を描く演技を披露してきた。『半分、青い。』(2018年前期)のヒロイン・鈴愛(永野芽郁)は漫画家を目指し、売れっ子少女漫画家の秋風羽織(豊川悦司)に弟子入りして、アシスタントの仕事に奮闘。

 鈴愛役の永野芽郁はアシスタントを演じるため、実際に漫画家の指導を受け、“ベタ塗り”や“スクリーントーン”などの作業を練習して撮影に臨んだという。関係者は永野を、「アシスタントの演技に関して、ほぼ吹き替えがいらないほど本職のレベルに近づいている」と絶賛。秋風役の豊川悦司も、“かけあみ”の練習の成果が出ていた永野に対して感心しきりだったという。(※2)

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