『コタローは1人暮らし』が肯定するさまざまな家族観 横山裕が川原瑛都に与える“無償の愛”

「もしかして、強くなったらこのアパートを出ていくつもりですか? それで、家族と一緒に暮らすことを考えているんですよね?」

 そうコタローに問いかけた狩野(横山裕)は、きっと「うむ」と返されることを分かっていたのかもしれない。だから、あんなに切なく憂いのある表情を浮かべていたのだろう。どんなに深い愛情を与えても、いつかは本当の親のもとに帰ってしまう。コタローの“強くなりたい”という夢を応援するのが、結果的に離ればなれになることに繋がってしまうのが辛い。綾乃のように、「(アパートの清水は)家族じゃないけど、なんだか温かくて心地いい」とコタローが思ってくれないかな……と考えてしまう。

 それでも、狩野はコタローの夢の後押しをして、愛情を与え続けてきた。これが、“無償の愛”というものなのではないだろうか。きっと狩野のことだから、コタローが自立をしたとしても、美月(山本舞香)の母・皐月(田中美佐子)のように何かとお節介を焼くはずだ。そして、コタローは「しつこいぞよ!」と言い返しながら、愛されていると実感するのだろう。血の繋がりはなくても、狩野とコタローはまがいもない“家族”であることを再確認した第6話だった。

■放送情報
『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:横山裕、川原瑛都、山本舞香、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、松島聡(Sexy Zone)、白洲迅、大倉孝二、光石研、滝藤賢一、イッセー尾形、生瀬勝久
原作:津村マミ『コタローは1人暮らし』(小学館『ビッグコミックスペリオール』で連載中)
脚本:衛藤凛
音楽:篠田大介
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)、小田彩(アズバーズ)、小林麻衣子(テレビ朝日)
監督:飛田一樹、樹下直美ほか
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/kotaro2/

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