竹財輝之助&古川雄大、“濃すぎる兄”がハマり役 『わたしのお嫁くん』を支える2人の愛情
ズボラ人間の穂香(波瑠)と“家事力最強男子”である知博(高杉真宙)の不思議な同居生活を描いている『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)。これまで、自分に向けられる好意に超鈍感だった穂香は、知博の積極的なアプローチもあり、自分にとってやっと知博が気になる存在であることに気がついた。
一方で知博は、同期の赤嶺(仁村紗和)や後輩の花妻(前田拳太郎)などファンが多い穂香をもう少し独占したいようなのだが、あともう一押しがなかなかできずにいる。くっつくようでくっつかない、2人の関係はピュアで甘酸っぱく、とてももどかしい。
そう感じてしまうのは、2人の周りにクセの強すぎるキャラクターたちが揃っているからではないだろうか。ここでは、知博の兄、正海(竹財輝之助)と薫(古川雄大)に注目したい。
長男である正海は年が離れた知博のことを忙しい母親に代わり育ててきたためか、特に溺愛しており、知博本人に向かって「お兄ちゃんの中では、まだ山本知博くん6歳だっ!」と言ってあからさまに子供扱いする一面も。知博は、そういううっとうしさを出してくる正海にかなり露骨に嫌な顔をしているのだが、効果はないようだ。
そんな正海にとって、穂香は大切な知博をたらし込んで奪おうとするけしからん女である。だから、わざわざ「知博の同棲相手としてふさわしいことを証明してほしい」とまで言って山本家のお茶会に穂香を招待したり、穂香が山本家を訪れた際には、威厳を見せるように着物で出迎えたりしているのだ。シフォンケーキを満足に作れなかった穂香に対して正海は「知博が苦労するのは目に見えている」と同居に反対した。ケーキを作れないことが同居にそこまで関係しているかはさておいて、正海は心底、知博のことを心配し、幸せになってほしいと思っているのだ。弟思いの優しい兄なのに、やっていることは口うるさい小姑のよう。そのギャップから正海が長年、強い責任感を持って家族を背負ってきたことが伝わってくる。正海は、ともすれば、知博の優しさに甘えてしまう穂香を“大黒柱”として奮起させてくれる存在なのではないだろうか。