『らんまん』大東駿介を揺さぶった神木隆之介の言葉 万太郎の金遣いと学歴に不安も

 万太郎は「雑草ゆう草はないき。必ず名がある。天から与えられ、持って生まれた唯一無二の名があるはずじゃ」と確信を込めて語る。万太郎の言葉は倉木を揺さぶった。こわばった感情が表情に張り付いた倉木は、唇をふるわせ、懸命に動揺を抑える。植物に向けた万太郎のまなざしは出会う人々にも向けられており、倉木も例外ではなかった。

 「どの草花にも必ずそこで生きる理由がある。この世で咲く意味がある」と語りかける万太郎に、倉木は「出ていけ!」と吠えるのが精いっぱいだった。明治の世で居場所を与えられなかった倉木に万太郎の言葉は沁みただろう。ドクダミが人を癒すような、傷ついた心への処方だった。

 第29話ではのちのトラブルの萌芽も見られた。金と学歴に関する問題だ。前話で万太郎が立て替えた健作の医者代はりんが弁償し、その金が標本を取り戻す費用に充てられたことになる。と言っても、今のペースで出費を重ねれば、破綻は目に見えている。竹雄(志尊淳)の「峰屋は若の財布じゃない」が放送直後にトレンド入りしたが、財布を握る竹雄の苦労が思いやられる。小学校中退で試験を受けていない万太郎が東大で研究できるかという問題も顕在化しており、こちらも一波乱ありそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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