『コタローは1人暮らし』シビアなテーマを描きつつ心が温まる 白洲迅による“スパイス”も
正義と悪は、表裏一体だ。だから、私たちは選択に悩むことがある。たとえば、宇田がしたことはたしかに正義に基づいているが、コタローからしたらあんな父親でもそばにいてくれた方がよかったのかもしれない。確実な正解なんて、何年かかっても見つかるわけがない。
だからこそ、鈴野(光石研)が宇田に「君は正しいことをした」と言ってくれた時に、心に刺さっていたトゲが抜け落ちたような気分になった。狩野(横山裕)がコタローに「頑張ったんだな」と言った時も。
「自分の選択は正しかったのだろうか?」と迷った時、“正しいんだよ”と言い切り、背中をさすってくれる人がひとりでもいれば、私たちは過去を昇華して前に進むことができる。そして、1日1日を大切に積み重ねていけば、「あの選択があったからこその、今」と思える日がやってくるかもしれない。そんな希望を抱くことができた第3話だった。
それにしても、本作はわりとシビアなテーマを描いているにもかかわらず、観終わったあとに心が温まるのはなぜだろう。やはり、コタローと狩野のやりとりが尊いからだろうか。今週も、コタローの過去を知る宇田への嫉妬心をあらわにする狩野のかわいさに癒された。そして、「アパートの清水」のような優しい世界が、現実にもあったらいいな……なんて思う。
■放送情報
『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:横山裕、川原瑛都、山本舞香、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、松島聡(Sexy Zone)、白洲迅、大倉孝二、光石研、滝藤賢一、イッセー尾形、生瀬勝久
原作:津村マミ『コタローは1人暮らし』(小学館『ビッグコミックスペリオール』で連載中)
脚本:衛藤凛
音楽:篠田大介
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)、小田彩(アズバーズ)、小林麻衣子(テレビ朝日)
監督:飛田一樹、樹下直美ほか
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/kotaro2/