『波よ聞いてくれ』は“人生リハビリ番組”になる ネタ製造機なミナレさんの中毒性

 「いやいや、どうせまたラジオの企画なんでしょう」と思いながらも、どこかで「まさか本当に?」とこのスプラッター映画のような展開を受け入れてしまう自分がいる。緊迫感を高める演出と芝居に今回もすっかり騙されてしまった。実はこの一連の騒動、作ったのはミナレ。実家から送られてきた大量のマトン肉を持て余したミナレはそれを床下収納に仕舞ったまま、すっかり存在を忘れていた。やがて床下収納の底が抜け、マトン肉は沖の部屋の天井裏で腐敗していったのである。前回も自分の勘違いで沖を警察に突き出したミナレ。面倒ごとに巻き込まれる体質かと思いきや、彼女自身がナチュラルに騒ぎを生み出すネタ製造機なのだ。振り回されているようで振り回されている。そこにも、ある種パーソナリティとしての才能を感じる。

「この番組はですね、他人に何度も迷惑をかけて生きている人、大事な人を傷つけてしまった人、人生の選択を間違いまくってる人。そんなダメ人間が集い、自分のダメさ加減と誠実に向き合っていく“人生リハビリ番組”となっていく予定です!」

 沖に迷惑をかけまくったミナレだが、結果的には沖がずっと逃げていた過去の恋愛と向き合うきっかけを作った。「雨降って地固まる」ということわざではないが、ミナレの番組にある終始カオスだけど最後は元気になれて、次もまた聴いてしまうような中毒性はそのまま本作の魅力となっている。

■放送情報
『波よ聞いてくれ』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15放送
出演:小芝風花、片寄涼太、原菜乃華、中村ゆりか、平野綾、西村瑞樹(バイきんぐ)、井頭愛海、中川知香、小市慢太郎、北村一輝ほか原作:沙村広明『波よ聞いてくれ』(講談社『月刊アフタヌーン』連載)
脚本:古家和尚
演出:住田崇、片山修、植田尚
音楽:林ゆうき、山城ショウゴ
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:高崎壮太(テレビ朝日)、神通勉(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
©テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/namiyo/

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