『らんまん』が自由民権運動を描く意図を考える 万太郎の人生にも多大な影響?

 牧野富太郎は旧制小学校中退でありながら大学の助手となり、最終的に理学博士の学位を得ているが、これは東京大学などが創立され、大学教育が根付き始めていた明治時代としてはなかなか破天荒な道である。また、植物採集に熱中しすぎて周りが見えなくなってしまう性格や学歴がないことが災いして、研究の道が絶たれそうになったこともある。それでも牧野はずっと植物のことを考えて採集を続け、「日本の植物学の父」とまで言われるようになったのだ。辛いことがあっても諦めず、行動し続けるそのマインドは、踏まれてもめげずに太陽に向かって伸びていく「雑草魂」と言えるのではないだろうか。そしてそれが育まれた背景には、きっと自由民権運動のような社会運動に触れた経験も大きく影響しているのだろう。

 かつて万太郎は、武士の子に意地悪されたからと学問所に行きたがらなかった少年だった。だが、それが今や時代の中心を駆け抜ける逸馬や中濱万次郎(宇崎竜童)と言葉を交わす青年に成長しているのだ。万太郎はまさに植物学という分野を切り開こうとしている。ここが時代としても、万太郎としても、大きな転換期であることは間違いない。

参考

・https://kitakyushu-iot.com/hayakawaitsuma-model/
・https://serai.jp/hobby/1121023

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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