『どうする家康』松本潤を支える大森南朋&松重豊の貫禄 美しい板垣李光人の登場も

 忠次と数正は信長を支持しているわけではないし、家康に反旗を翻したいわけでもない。ただ、乱世を終わらせることができるのは長政ではなく信長だと考えていたはずだ。忠次と数正の訴えを聞き、家康は浅井・朝倉を討つという決断を下す。結果的に、家康の決断は姉川合戦を勝利に導くものになるのだが、家康が決断を下した後の忠次と数正の表情の違いが興味深い。

 忠次は家康を心配そうに見つめつつ、少し安堵したように息を吐くのだが、数正は伏し目がちで硬い表情のままだった。これまでも家康が重要な決断を下す際、忠次と数正が必死に説得する場面があったが、今回の表情の違いを見ると、忠次と数正の思惑が必ずしも一致していないように感じられる。今後、忠次と数正それぞれの主君との向き合い方に変化がありそうだ。

 なお、物語終盤では、のちに家臣団の1人となる井伊虎松(後の直政/板垣李光人)が初めて登場した。踊り子に扮し、美しく舞う姿と、一瞬にして家康に鋭い眼光を向け、身を翻しながら斬りかかる姿が強く印象に残る。間一髪のところで助かった家康だが、新天地、遠江・浜松の民からは敵意を抱かれている。虎松に命を狙われた家康はをどう治めるのだろうか。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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