ジョン・カサヴェテス特集上映、6月24日より開催 『ラヴ・ストリームス』DCP初上映も
ジョン・カサヴェテス監督作品6作品を上映する「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」が、6月24日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショーされることが決定した。
「インディペンデント映画の父」と称され、ジャン=リュック・ゴダールやマーティン・スコセッシ、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュといった世界の映画監督たちから敬愛された映画監督ジョン・カサヴェテス。ハリウッドの商業主義に対抗し、パートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。現在目覚ましい活躍をする映画作家たちにも影響を与えている。
今回の特集では、監督デビュー作『アメリカの影』、『フェイシズ』、アカデミー賞主演女優賞・監督賞にノミネートされた『こわれゆく女』、『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』(76)、ベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞した『オープニング・ナイト』、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『ラヴ・ストリームス』の6作品が上映される。『ラヴ・ストリームス』は2Kレストア素材を今回のためにDCP化し、初めて劇場で公開される。
今回のレトロスペクティヴは上映権の再取得が叶ったことで実現したが、一方で、撮影監督、プロデューサーとしてカサヴェテスと併走した、アル・ルーバンが2022年に亡くなったことから、その追悼とも言えるタイミングでの開催となる。2012年に特集「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」が開催された際、ルーバンは「日本の皆様、ジョン・カサヴェテス作品にようこそ。ジョンの作品はアメリカの中流社会の生活を、ユニークな視点で捉えながら、緊張感と時にはユーモアを交え、そして何より誠実に描いています。アメリカのメジャー作品とは違い、強い注意力が必要なので覚悟してください。自ら脚本を執筆し、自ら創り上げた世界の中で、彼が作り出した人たちの困難な挑戦を描くジョン・カサヴェテスは、私が知る限り、最も創造力に溢れたクリエイターです」とコメントを寄せていた。
あわせて公開されたポスタービジュアルでは、ヴェネチア国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した『フェイシズ』より、ジーナ・ローランズの写真を大きく使用。ルーバンへの追悼の意を込めて「in memory of Al Ruban」の文字も添えられている。
また、オリジナルB3ポスター付前売券(3回券)が、4月29日よりシアター・イメージフォーラムで発売される予定だ。
■公開情報
ジョン・カサヴェテス特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」
6月24日(金)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
配給:ザジフィルムズ
『アメリカの影』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
音楽:チャールズ・ミンガス
出演:ベン・カラザース、レリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード
1959年/アメリカ/82分/モノクロ/スタンダード
『フェイシズ』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:アル・ルーバン
出演:ジョン・マーレイ、ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル
1968年/アメリカ/130分/モノクロ/ヴィスタ
『こわれゆく女』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
製作:サム・ショウ
出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、マシュー・カッセル
1974年/アメリカ/147分/カラー/ヴィスタ
『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:フレデリック・エルムス
出演:ベン・ギャザラ、ミード・ロバーツ、ティモシー・アゴリア・ケリー
1976年/アメリカ/135分/カラー/ヴィスタ
『オープニング・ナイト』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:アル・ルーバン
出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ベン・ギャザラ
1977年/アメリカ/144分/カラー/ヴィスタ
『ラヴ・ストリームス』
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
原作・共同脚本:テッド・アレン
撮影:アル・ルーバン
出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ダイアン・アボット、 シーモア・カッセル
1984年/アメリカ/141分/カラー/ヴィスタ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/cassavetes2023/