宇宙飛行士・野口聡一が感動した「生きている地球の姿」 “地球人”に見てほしい景色とは?
4月7日に公開されるドキュメンタリー映画『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』のプレミア試写会が4月3日、東京・グランドシネマサンシャインで行われ、ナレーションを務めた宇宙飛行士・野口聡一が舞台挨拶に登壇した。
本作は、IMAXカメラによる大迫力の臨場感で、3人の水先案内人と共にアメリカの隠れた絶景28スポットをわずか40分で体験し、学べるドキュメンタリー。
初めてナレーションに挑戦した野口は、「こういうことをやっちゃっていいのかなと思いながらも映画の世界に入り込んで、とっても楽しい経験でした」とにっこり。MCから「声が素敵で、初めてとは思えない」と褒められると、「よく言われます」とおどけて笑わせた。
また野口は、オリジナル版ではモーガン・フリーマンがナレーションを担当していることに触れ、「オリジナルのほうがいいと思ったでしょ? 僕もそう思った」と話し、「プレッシャーがすごい」と苦笑い。さらに、「日本語に直すと長さが合わなくて、シーンに当てはめようとすると早く言わなきゃいけなかったり」と収録の苦労を明かした。
一方で、野口は自身の体験を活かして台本を一部変更したといい、「原作のイメージを大事にしつつ、宇宙遊泳のシーンや打ち上げのシーン、国際宇宙ステーションのところは、実際に私が見たときの感想に近いものに変えさせてもらった」と報告。劇中に水先案内人として登場する宇宙飛行士のジョン・ヘリントンとは旧知の仲で、「全世界公開にあたって私がお手伝いできるというのは、不思議な縁を感じる」とほほえんだ。
ここで、MCから「宇宙のどこかに人間のような存在がいることはありえるのか」と聞かれた野口は、「ありえると思いますよ」と即答。目を輝かせる会場の子どもたちに、「銀河系には2000億個も太陽みたいな星があるので、地球のような環境を持っていて、地球人よりも高度な知性を持っている生命体や、素晴らしい自然があるかもしれない」と語りかけた。
また「“宇宙人”におすすめしたいスポットは?」との質問には、「オレゴン州の海岸線をカヌーで通っていくシーンがあるけれど、私もNASAのサバイバル訓練で、ああいう景色のところを通ったんですよ。まったく同じ場所ではないけれど、自分が使うテントから調理器具、寝袋、食料、全部背負って、海岸沿いを歩く。満潮になると道が通れなくなるので、崖を登ったりして1週間を過ごしていた」と当時を懐かしみ、「いろいろなアメリカの大自然が素晴らしい姿を見せるんだということを、多くの“地球人”にも観てもらいたい」と話した。
さらに、「水先案内人も魅力的な人が出てきますので、そういう方がどういう思いで自然と向き合っているのかを、大人の方も含めて(知ってほしい)。コロナ禍で外国に行けなかった方も多いと思うので、束の間の海外旅行気分を味わってもらえたら」と呼びかけた。