2023.03.31 06:00

広瀬すず「無理して頑張っていた時期もあった」　意識するようになった“自分の人生”

文・取材＝宮川翔、写真＝池村隆司、動画＝井口聖也

「振り返ってみると、どこかで無理して頑張っていた時期もあった」

ーーアンナは広瀬さんにとって代表作の一つになりそうな役柄です。

広瀬：そうですね。一度終わった作品に関わっていたスタッフ・キャストが再集結して、また新しい作品を作れる機会はなかなかないと思うので。そういう作品に出会えたのは、自分にとってもすごくありがたい経験でした。自分がまだ10代だったときに出演した『ちはやふる』とか青春ものは、同世代の方にたくさん観ていただけた実感がありましたが、ここ最近は作品のテイストもあって、自分よりも若い世代の方に観ていただけている実感があまりなかったんです。そんな中で『ネメシス』は、「アンナちゃんだ！」と声をかけていただけるような作品になったので、そういう意味でも大事な作品になりました。

ーー出演される作品も、年齢を重ねるにつれて青春ものや学園ものから次第に大人向けの作品が多くなってきますよね。

広瀬：青春ものに出演する機会が多かった分、スーツを着るだけで「うわっ……」って思ってしまうようなことがいまでもちょっとあります（笑）。自分でも見慣れないというか……。

ーーなるほど。

広瀬：でも、「いままでこういう役はやってなかったからやってみよう」ということではなく、無理せずにやりたいことができたらいいなというのが、今後先のことを考える上で大事にしたい素直な気持ちです。振り返ってみると、どこかで無理して頑張っていた時期もあって、「とにかくやらなきゃ」という気持ちで突き進んでいたところもあったんですが、年齢を重ねるにつれて、“自分の人生”として考えるようになりました。とにかく楽しいことをやりたいし、好きなことをやっていきたいという感覚が強くなりました。その中で、周りの人に応援していただけるようなものもやりたいと思ったり。いままではあまり考えたことがないようなことを考えるようになって、前よりもちょっとお仕事に対して真面目になったというか（笑）。自分のことは自分で考えなきゃいけないなと思って、自分自身でもすごく新しい感覚なんです。

ーー2年前に『いのちの停車場』のタイミングでインタビューさせていただいたときは、女優という職業について、「好きと言うよりもまだ仕事の感覚に近い」ということをおっしゃられていました。

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広瀬：確かに『いのちの停車場』以降の1～2年でだいぶ変わりました。自分の中でお芝居に対する欲が出てきたり、楽しさも変わりました。「こういう役をやってみたい」と思うことも増えてきて、お芝居をしているときに「楽しいな」とか「この時間が長く続いたらいいのにな」と思うこともあって。そういう感情って、いままではずっとあったようでいて、実は時々感じるくらいでした。最近はそれを頻繁に感じていることに、我ながら感動しています（笑）。「無理してでも頑張らなきゃ」という感覚がなくなったことがやっぱり大きいと思うので、これからも背伸びをせずに、好きなことができたら嬉しいです。

『映画ネメシス黄金螺旋の謎』広瀬すずさんからメッセージ到着！

■公開情報
『映画ネメシス黄金螺旋の謎』
全国公開中
出演：広瀬すず、櫻井翔、勝地涼、中村蒼、富田望生、大島優子、上田竜也、奥平大兼、加藤諒、南野陽子、橋本環奈、真木よう子、魔裟斗、栄信、岡宏明、駒木根葵汰、三島あよな、笹野高史、佐藤浩市、江口洋介
監督：入江悠
脚本：秦建日子
企画・プロデューサー：北島直明
音楽：横山克
配給：ワーナー・ブラザース映画
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