『舞いあがれ!』久留美と悠人は正反対だから寄り添える ぴったりな2人が築く“幸せ”の形

 NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』第120話では、長崎でフライトナースとなるべく奮闘している久留美(山下美月)が舞(福原遥)の家を訪問。その隣には悠人(横山裕)の姿もあった。久留美と悠人の関係は順調のようだ。

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 最初は、悠人は久留美にとって親友の舞の兄であり、久留美は悠人にとって舞の友達の1人だった。お互いに子どもの時から知っていただろうが、歳の差やあまり他人に興味を示さない悠人の性格もあってか、特に仲良くなることもなく、悠人は東大阪を離れてしまった。

 次に2人が出会ったのは、看護師となった久留美が行きつけのカフェ「ノーサイド」で勉強していた時のこと。そこへ悠人が“たまたま”顔を出したのだ。悠人から「なんや、雰囲気変わったなあ」と言われた久留美は、思わず言葉に詰まり、ちょっと照れた様子を見せた。しかし、久留美が救急救命の看護師として働いていることを知った悠人は、「きっつい仕事、選ぶねんなあ」「給料安いんちゃうん?」と辛辣な言葉を口にした。すると久留美は露骨に嫌そうな顔を見せ、「ノーサイド」を去っていった。久しぶりの再会での印象は最悪だ。

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 その後、久留美は同僚医師の八神(中川大輔)と交際して婚約。だが、八神の母・圭子(羽野晶紀)に一方的に婚約破棄を言い渡されてしまう。さらに、優しく、好青年だったはずの八神が次第にデリカシーのない発言をするように。久留美は悩んだ末に八神と別れることを決意した。同じ頃、悠人にはインサイダー取引疑惑が浮上。憔悴しきった状態で東大阪に戻った悠人は、雨の降りしきる中、ふらふらとさまよい、公園で倒れてしまった。それを“たまたま”発見したのは久留美の父・佳晴(松尾諭)。久留美は自宅に運ばれてきた悠人を介抱しながら「支えてくれる家族がいてはるんやから、頼ったらええやないですか」と声をかけた。この言葉は、これまでさまざまな問題を1人で抱え込んでしまっていた悠人の心に深く刺さったに違いない。

 一方、久留美が悩んでいた時に、その背中を押したのは悠人だった。フライトナースになりたい思いがあるが、父を置いて遠く離れた長崎に行けないという久留美に悠人は「自分の幸せ考えて、前に進んだ方がええ」と言った。これを聞いた久留美はどこかスッキリした顔になった。父親を生活の中心にしていた久留美にとって、ぴったりのアドバイスだったのだろう。

 こうして久留美に長崎に行くことをすすめたのは悠人なのだが、そうなると彼女ともう“たまたま”出会うことはないことに気がついて、誰よりも焦ったのも悠人だった。その焦りが久留美の送別会当日に、舞の家に乗り込んできて突然告白するという、冷静な普段の悠人からは考えられない行動を引き起こし、2人の今に繋がっている。

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