『舞いあがれ!』福原遥と赤楚衛二の順風満帆な結婚生活 近年の朝ドラにみる夫婦の形

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第22週となる「冒険のはじまり」が放送された。今週は舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)が岩倉家で暮らす様子が度々映し出され、充実した日々を送っていることがうかがえた。結婚しても変わらず「舞ちゃん」「貴司くん」と呼び合う仲睦まじい2人。信頼関係で結ばれた舞と貴司ならではの安らぎのある結婚生活に心が温かくなった。

 仕事を頑張る舞を貴司がそっと気遣い、優しい声で「おかえり」と声をかけるなど、2人の間には相変わらず穏やかな空気が流れる。貴司は舞たち家族のために台所に立つこともあれば、舞の仕事の話にも熱心に耳を傾ける。舞もまたデラシネで資料作りをするなど、結婚後も家以外で時間を共にすることがあった。

 そんな中、週のタイトル「冒険のはじまり」通り、舞と貴司には新たなチャンスが舞い込むのだった。貴司は日本中を巡ってこどもたちに短歌を教えながら、自身も連載を持って短歌とエッセイを執筆するという企画を受けることに。舞は自ら東大阪の町工場のために起業することを決意した。こうしたチャンスにも、2人は快く背中を押し合うのだ。「今の生活がどんどん大切になってる」と話す貴司のように、結婚後もしっかり家族に目を向け尊ぶ関係は理想的な夫婦像だろう。

 舞の実家に同居という形を取りながら、互いを尊重しつつ各々の夢ややりたいことを大切にする2人。夫婦が協力しながら個人の夢を実現しようと模索する姿からは明るい未来が感じられる。

 近年の朝ドラでは、舞と貴司夫婦を筆頭に、様々な夫婦の形が描かれてきた。中でも印象的だったのが、『スカーレット』(NHK総合)における喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)の関係だろう。2人は離婚を経て再会。その後は大切な一人息子・武志(伊藤健太郎)の闘病生活を一丸となって支え続けた。2人は再婚することこそなかったものの、互いを思う気持ちはひしひしと伝わってきた。様々な過去を乗り越え今一度真剣に喜美子や武志と向き合おうとする八郎の誠実さに、こんな“夫婦の関係”もまた美しいと心を動かされたものだ。

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