『相棒』過去の“相棒”たちから右京へのメッセージ? 最終回目前回は夢のような物語に

 第19話のタイトルは「再会」。最初は守が誰かと再会する話なのかと思っていたが、どうやらこれは右京がそれまでの相棒たちに再会する話のようだ。思えば、守という名前も以前、鑑識課にいた米沢守(六角精児)と同じ名前である。

 では、現在の相棒はどうしているだろう。亀山は獣道でもない斜面を、何度も同じところを通って迷い、時には追跡者から身を隠しながら進んでいた。山中でふたりが歩いた道は対照的だ。それは、亀山が再び右京に出会うまでの道のりを示しているようにも思える。一念発起して異国の地で長年暮らした亀山。日本と違って制度も環境も整備されていない国での道のりは、想像以上に厳しいものだっただろう。一方で、右京は平坦な道ながらも、様々な人と出会ってきたのだ。

 無事、右京と落ち合うことができた亀山は、ふと、また相棒になれてよかったかを聞いた。すると右京は「君との再会は運命だと思っています」と言った。長い年月を経ても切れることのなかったふたりの強い絆が、この一言に集約されていた。

 ただ、これで終わらないのが『相棒』である。次に映ったのは、行きつけの店「こてまり」の料理たち。どうやら亀山は酔って寝てしまっていたようなのである。さて、これまでの話は、現実だったのか、はたまた亀山の夢だったのか。どこまでが本当なのかは右京にしかわからない。なんとも不思議な第19話だった。

■放送情報
『相棒 season21』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00~21:54放送
出演:水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、田中隆三、神保悟志、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二ほか
エグゼクティブプロデューサー:桑田潔
チーフプロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真通
脚本:輿水泰弘ほか
監督:橋本一ほか
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日、東映
©テレビ朝日・東映
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
公式Twitter:@AibouNow

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