『ブラッシュアップライフ』明かされた水川あさみ演じる真里の人生 麻美最後のやり直しへ

「なっちとみーぽんが死んじゃったのね」

 『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)第8話。宇野真里(水川あさみ)の告白を聞いた時、一瞬時が止まったような感覚に陥った。常に“死”と向き合っている麻美(安藤サクラ)とはちがい、夏希(夏帆)と美穂(木南晴夏)は“生”に近い人物だと思い込んでいたからだ。

 しかし、人生5周目の真里は、麻美も知らない“もうひとつの人生”の記憶を持っている。1周目の人生では、真里と麻美と夏希と美穂は仲良し4人組だったこと。そもそもは、優等生なんかじゃなくて成績も中の下くらいだったこと。そして、人生をやり直しているのは、飛行機事故で亡くなった夏希と美穂を救うためだったこと。

 だから、彼女はパイロットを目指した。事故の原因を知っている自分が操縦をすれば、親友だけでなくたくさんの命を救うことができるはずだ、と。でも、現実はそう簡単にはいかない。夏希と美穂を救うためにパイロットを目指しているのに、勉学に励みすぎたせいで2人と仲良くなるタイミングを逃してしまった。結果的に、仲良し4人組は真里を除いた3人組に。そして、麻美が抜けてからは2人組になってしまった。

 友人の記憶のなかから、自分の存在だけがごっそり抜けてしまうのって、どんな気分なのだろう。ドラマクラブで推しドラマを語り合った日々も、シール交換をした放課後も、誕生日を祝ってもらった思い出も。自分は覚えているのに、相手の記憶のなかからは消えている。それでも真里は、親友の命を救う選択をした。

 しかし、夏希と美穂を乗せた飛行機は、真里が操縦していても事故に遭ってしまう。自分を犠牲にして、あれだけ頑張っても、運命を変えることはできなかった。なんだか、このもどかしさが人生とリンクしているようで苦しくなった。

 生きていると、どれだけ頑張っても、どれだけ祈っても、どうしようもできないことにぶち当たる。それでも、真里は4回も生まれ変わった。また、親友の死を経験しなければならないかもしれない。また、どうしようもないもどかしさに襲われるかもしれない。それでも、親友の命を救いたかった。

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