吉柳咲良、『星降る夜に』で挑んだ未知の世界 変化のきっかけとなった満島ひかりの存在も

 吉高由里子演じる鈴と北村匠海演じる一星の恋模様が話題の連続ドラマ『星降る夜に』(テレビ朝日系)。2月21日放送の第6話では、北斗(水野美紀)の娘・桜の想いと出生の秘密が明らかになる。そんな第6話のキーパーソンとなる桜を演じているのは吉柳咲良。2017年から昨年まで、6年間で5度主演を務めたミュージカル『ピーターパン』をはじめ、ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)やアニメ映画『天気の子』など数々の話題作に出演している、現在18歳の若手実力派だ。そんな吉柳に、『星降る夜に』での経験や、最近変わったという自身の考え方について大いに語ってもらった。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】

変化のきっかけは『未来への10カウント』で共演した満島ひかり

ーー連続ドラマのレギュラー出演は『未来への10カウント』以来約1年ぶりになりますね。『星降る夜に』への出演が決まったときの心境を教えてください。

吉柳咲良(以下、吉柳):お話をいただいて、純粋にすごく嬉しかったです。ただ、自分にとっては手話が未知の世界だったので、最初は覚えるのがすごく難しそうだなと思っていました。実際に手話を学んでいくと、手話でコミュニケーションを取る方たちの表情がすごく豊かで、手話がわからない私でも何を伝えようとしているのかがわかるぐらい表現力が高くてすごいなと思ったんです。私も何回かレッスンをやってみて、ちゃんと覚えたいなと思いました。このドラマをきっかけに、手話を勉強したいです。

ーー実際にレッスンをやってみていかがですか?

吉柳:やっぱり難しいです。自分の手話が相手にどう見えているかは自分にはわからないですし、通常のお芝居に加えて気持ちや動きにも変化が出てくるので、いろんなことが頭の中でグルグルしている状態で……。いままでやってきたお芝居とは全然違う感覚です。

ーー手話でのお芝居は一星役の北村匠海さんとやられることが多いかと思いますが、お二人は昨年末に公開されたアニメーション映画『かがみの孤城』でも共演されていますよね。

吉柳:そうなんですよ。ただ、『かがみの孤城』の収録は基本的に1人1人バラバラだったので、初めてお会いしたのが舞台挨拶で……(笑)。そのときに、「『星降る夜に』でもよろしくお願いします」という話をさせていただいたんですけど、北村さんが手話で“よろしく”と返してくださって、「一星だ!」とちょっと嬉しくなりました。

ーー素敵な返しですね。

吉柳:北村さんは本当にいろんな役をやられているので、“なんでもできる人”というイメージがあって。どの作品も全く同じ人に見えないのがすごくおもしろいなと思います。映画『東京リベンジャーズ』とかも観ていたんですが、『星降る夜に』の一星と比べると、全く違っていてギャップがあります。ご本人はすごく優しい方で、私が現場で緊張しているときも声をかけてくださったりするんです。手話もすごく上手で、通訳さんなしで聾者の先生と手話で会話されているのを見て、すごいなと感じます。

ーー主演の吉高由里子さんの印象は?

吉柳:もう本当にかわいいです。すごくキラキラしていて、吉高さんがいると現場が明るくなるんですよね。初対面のときからフラットに話しかけてくださったんですけど、綺麗すぎてちょっとドキドキしちゃいました(笑)。吉高さんもディーン(・フジオカ)さんも水野(美紀)さんも初めての共演なのですが、皆さん優しい方ばかりで、現場はすごくアットホームな雰囲気です。あと、『未来への10カウント』でご一緒したスタッフさんが結構いらっしゃったのも嬉しかったです。お会いしたことがある方がたくさんいたのは安心感がありました。

ーー吉柳さんが演じる桜は真面目で優秀、「ポラリス」のみんなにとって妹のような存在の高校2年生という役柄です。年齢的にも近いですが、桜をどういう人物だと捉えていますか?

吉柳:“しっかり者”というイメージが強いです。芯があって、大人びた感じもあるんですけど、好意を抱いている一星の前だと表情が緩むところもあって、等身大の高校生という印象です。自分自身ともだいぶ近いなと思います。ちょっと前までの自分だったら似ていなかったと思うんですけど、いまの私とは結構似ている部分が多いなと感じていて。昔は「求められることをやらなきゃ」と変に力が入ってしまっていたんですけど、最近は本当に自然体でいられるようになってきたんです。そこが桜とも共通している部分かなと感じます。

ーーその吉柳さん自身の変化は何かきっかけがあったんですか?

吉柳:変わったのは『未来への10カウント』のタイミングだったので、ちょうど1年前くらいですね。それは共演させていただいた満島ひかりさんのおかげなんです。満島さんとお話しさせていただく中で、「咲良はそのままがいい。変に作らずに自分らしさをもっとさらけ出していいと思う」と言ってくださって。「肩の力の抜け方がすごく素敵だから、服装とかももっと自分を出していった方がいい。そういう咲良を見て面白いと思ってくれる人が絶対いるから」と。それから私自身、意識的に肩の力を抜くようになったんです。そのおかげで自分自身もすごくラクになりました。満島さんは私にとって心の支えで、生きていく中で呼吸がしやすくなりました。

ーー『未来への10カウント』の経験は大きかったようですね。

吉柳:私にとってすごく大事な経験になりました。木村(拓哉)さんとの共演も毎日緊張の連続だったんですけど、木村さんもすごく優しい方で、たくさんお話ししていただきました。私はマネージャー役だったので、部員の中では唯一ボクシングをやるシーンがなかったんですけど、現場でみんながやっている姿を見ているとやりたくなってくるんです(笑)。なので、部室にあったサンドバッグを一人で殴っていたら、木村さんが直々にボクシングを教えてくださって。「桐沢コーチだ!」と感動しながら一緒にやらせていただきました。

ーーすごく貴重な経験ですね。

吉柳:そうなんですよ。木村さんがミットを構えてくださって、「ジャブ」「ストレート」と言いながら、打ち方も全部教えてくれました。ドラマがきっかけで、ボクシングも本格的にやりたいなと思いました。

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