『水は海に向かって流れる』広瀬すずの10歳年下の相手役に大西利空 高良健吾&當真あみも

 6月に全国公開される広瀬すず主演映画『水は海に向かって流れる』の第2弾キャストとして、大西利空、高良健吾、當真あみの出演が発表された。

 2021年に映画化もされた『子供はわかってあげない』の田島列島による同名コミックを実写映画化する本作。主演に広瀬を迎え、『そして、バトンは渡された』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲が監督を務めた。

 通学のため、叔父の家に居候することになった高校生の直達。だが、どしゃぶりの雨の中、最寄りの駅に迎えに来たのは、見知らぬ大人の女性・榊さん(広瀬すず)だった。案内されたのはシェアハウス。そして、偶然出会ったように思えた榊さんと直達には、過去に思いも寄らぬ因縁があった。

 そんな本作のキーパーソンとなる直達を演じるのは、自身も現役高校生である大西。『3月のライオン』『キングダム』などで主人公の幼少期、『るろうに剣心』シリーズで明神弥彦を演じてキャリアを重ねてきた大西が、本作で約400名のオーディションを勝ち抜いた。大西は「直達のように、何か大きなものを背負う役柄を今まで演じたことがなかったので、不安でいっぱいでした」とコメント。前田監督は「長いキャリアを持っているのに、初々しさに溢れる天然な人柄と、初めて会ったのに何度も会っているような親しみやすさが利空くんの素敵なところで、直達そのものでした。演技なのか地なのか、撮影時と控え時の境界線がなくて、利空くんの中に最初から直達が同居しているようでした」と太鼓判を押した。

 本作で初共演となった広瀬と大西。広瀬は「自分より年下の方としっかり組んでお芝居をするのが初めてだったので、新鮮でした。テイクによって少しずつ演技を変えると、それを受けて直達も変わっていく姿を間近で見て、“昔の私だ”と思いました」、大西は「広瀬さんのお芝居への強い熱量に負けないように臨みました」と互いに初共演を振り返った。

 前田監督も撮影を振り返り、「普段は飄々としている低体温な役柄ですが、思わず感情が溢れ出すシーンでは、スタッフ全員が感動するほど出し切ってくれました。二日がかりでの撮影になりましたが、その本気の姿は必見です」とコメントを寄せた。

 そんな直達がシェアハウスに住むきっかけとなる、直達の叔父でマイペースな漫画家・茂道役(通称:ニゲミチ)を高良が演じる。高良は自身の演じるキャラクターについて、「大人になりきれない茂道で、ダメダメな部分はありますが、彼の純粋な明るさがこの映画の中にはある」と語った。茂道は、シェアハウスで暮らす曲者揃いのメンバーの中心人物で、榊や直達を優しく見守る役どころだ。

 前田監督は、「高良さんはいつか映画でご一緒できたらと思っていて、やっと出会うことができました。ニゲミチを演じてもらえて、本当に嬉しかった! 帽子にメガネと重ね着というキャラクターを作り込んでいく衣装合わせの中で、すでに役柄を掴んでくれました。楽しみながらニゲミチ演じてもらえたのではないかと思います」と喜びのコメントを寄せ、高良は「僕の好きな映画です。映画が楽しい場所に連れて行ってくれる。そんな作品になっています」と出来上がりに自信をのぞかせた。

 直達のクラスメイトで人気者・泉谷楓役には、當真が決定。『かがみの孤城』で主演声優を務めた當真が、長編実写映画初出演となる本作で、直達に想いを寄せ10歳年上の榊さんに対抗心を燃やす楓を演じる。前田監督は「探しても探しても出会えなかった楓。沖縄に帰る前の少しの時間しか東京にいないという中学三年生の少女と面接することに。会った瞬間に、楓がそこにいました。透明感を持った佇まい、その中に芯の強さを秘めて、真っ直ぐに相手を見る目元と声の美しさは、素晴らしい女優になる証。運命としか言いようのない出会いでした」と賛辞を送った。

 當真は、広瀬演じる榊さんに嫉妬をぶつける対峙シーンについて、「私が上手くいかず何度もやり直したシーンにも、広瀬さんはずっと側でお芝居にお付き合いくださいました」とコメント。前田監督も「何度テイクを重ねてもめげることなく、健気にぶつかっていく姿は感動的でした」と語った。

コメント

大西利空

初めて脚本を読んだ時、大役だったので、正直とても驚きました。
直達のように、何か大きなものを背負う役柄を今まで演じたことがなかったので、不安でいっぱいでした。実際に演じてみると、直達の性格や物語の進行に合わせた感情表現がとても難しかったのですが、だからこそ学べたことも多かったです。
広瀬さんとの共演は、緊張しましたが、本番外でもすごく優しく接していただいて、気持ちが和らぎました。広瀬さんのお芝居への強い熱量に負けないように臨みました。また高良さんには、本当の家族かのように支えていただきました。お芝居でつまずいた時も相談にのってくれて、とても救われました。當真さんは数少ない同年代の共演者で、凄く心強かったです。不安はずっとありましたが、完成した映画を観たら、画がとても綺麗で映画の世界観に直達をはめ込むことができたのかなと少し安心しました。

高良健吾

脚本を読んだ時、シンプルに「茂道をやってみたい」と思いました。
大人になりきれない茂道で、ダメダメな部分はありますが、彼の純粋な明るさがこの映画の中にはあると思いました。
主演の広瀬さんは、凛とした佇まいで現場に居て、役に入り込む集中力が凄かったです。大西さん當真さんは2人共必死に現場にしがみついていました。芝居で悔しい思いもしたと思いますが、完成した作品の中の2人はとても素晴らしかったです。
『水は海に向かって流れる』は、僕の好きな映画です。現場では純粋な大人達がおもちゃで遊んでいるような感覚でした。リアルな心情にファンタジーが寄り添っていて、映画が楽しい場所に連れて行ってくれる。そんな作品になっています。

當真あみ

私にとって初めての長編映画撮影という事もあり、明るく自分の気持ちに正直な楓ちゃんを演じられるのだろうか、と不安な気持ちもありましたが、前田監督から「そのままでいいんだよ」と言葉を掛けて頂き、リラックスして演じる事ができました。自分にない要素を持った人物を演じる難しさも感じました。
私が上手くいかず何度もやり直したシーンにも、広瀬さんはずっと側でお芝居にお付き合いくださいました。本当に感謝しています。大西さんは、熊沢くんの優しさそのままの雰囲気の方でした。同じ歳ということもあり、いい関係で同級生役を演じることができました。高良さんは、緊張していた私に気さくに話しかけてくださって、場を和ませてくださる温かい方でした。
完成した映画を観た時、登場人物それぞれの気持ちが流れ込んできて、なんだか自分に寄り添ってくれるような、そして最後にはスっと前を向かせてくれるような気持ちになりました。ぜひ、多くの方に観て頂きたいです。

■公開情報
『水は海に向かって流れる』
6月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:広瀬すず、大西利空、高良健吾、當真あみ
監督:前田哲
脚本:大島里美
原作:田島列島『水は海に向かって流れる』(講談社『少年マガジンKCDX』刊)
音楽:羽毛田丈史
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作プロダクション:スタジオブルー
製作:映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 
©2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 ©田島列島/講談社
公式サイト:https://happinet-phantom.com/mizuumi-movie/
公式Twitter:mizuumi_movie

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