『舞いあがれ!』八木莉可子演じる史子が鮮烈に登場 舞と貴司の関係に変化をもたらすか
『舞いあがれ!』(NHK総合)第90話が2月9日に放送された。デラシネを訪れた秋月史子(八木莉可子)は自作の短歌を貴司(赤楚衛二)に見せる。水族館で生まれたイルカの赤ちゃんに故郷の海を教えようとして悩むお母さんイルカの心情を、貴司は「一番近くにおんのに、どうしても伝えられへんことがある切なさ」と受け取った。「こんなふうに世界をとらえる人がいてはんねんな」と感銘を受けたことを伝えると、史子は涙ぐんでしまう。
「短歌は私の命ですから、それ否定されたら生きていかれへん」
孤独に創作に打ち込んできた史子は、貴司の短歌を読んだ時、初めて理解者を見出した心境になった。昂揚した勢いで、帰り際、舞(福原遥)に「奥さまですか?」と気になっていたことを質問。あわてて否定する舞に「よかった」と心の声が漏れた。店を出ていく足どりが軽かったのは、寄り添えるパートナーを見つけたかもしれないという喜びも手伝っていただろう。
第90話では物産展のため知嘉島の人々が来阪。うめづでの歓迎会には信吾(鈴木浩介)や木戸(哀川翔)、さくら(長濱ねる)が集い、お好み焼きを食べながら話が弾む。一太(若林元太)は物産展を担当する百花(尾本祐菜)と再会。島で出会い、一目ぼれした一太は思いを伝えるためはるばるやってきたのだった。舞との会話で、心境を打ち明ける一太は素直で応援したくなる。お礼に恋の相談に乗ると言う一太に、舞は「私は何もないよ」と返した。
ドラマも終盤に差しかかろうとしているが、舞にはいっこうに恋愛フラグが立つ気配がない。このまま恋愛成就せずエンディングまで行ってしまうのかと気を揉んでいる視聴者も多いだろう。航空学校の同期だった柏木(目黒蓮)とは、舞の進路が変わったことで関係も解消。浩太(高橋克典)が亡くなってからは、IWAKURAを立て直すため仕事一辺倒だった。男の影がないわけではなく、幼なじみの貴司や一太をはじめ人力飛行機サークルで知り合った同年代もいるが、恋愛関係には発展しない。第90話でその理由がわかった気がした。
新たに登場した史子を「(貴司に)話の合う仲間ができてホンマ良かった」と舞は喜ぶ。見かねた久留美(山下美月)が暗に貴司との関係を問いただすが、舞は「私、関係ないやん」とピンと来ない様子。貴司を異性として見ていないことがわかってしまった。貴司とは親友として過ごした年月が長く、関係性が安定しているということだ。一方の貴司が舞を見る視線には、思いが伝わらないもどかしさがあるように感じられる。「一番近くにおんのに、どうしても伝えられへん」は舞に向けた言葉ではなかったか。貴司を慕う史子の存在が幼なじみ2人をどのように変えるか注目だ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK