『相棒』久しぶりのヒロコママ登場で神回の予感 深沢敦の見事な“変わらなさ”

 2月1日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第15話のタイトルは「薔薇と髭と菫たち」。「薔薇と髭と」でピンときた人は長年の『相棒』ファンだろう。そういえば、亀山(寺脇康文)が日本に帰ってきたならば、それを知らせてあげなければならない人が一人いた。今回は、ゲイバー「薔薇と髭と…。」を経営する名物キャラクター・ヒロコママこと、ヒロコ(深沢敦)が登場する。

 ヒロコママは、『season1』で発生したとある事件の聞き込み捜査中に亀山と知り合い、以降、たびたび特命係に相談を持ち掛けてくる顔馴染みだった。亀山のことはお気に入りのようで、いつも親しげに「薫ちゃん」と呼んでいた。亀山がサルウィンに行ってしまってからは登場する機会がなかったが、『season18』で、実に12年ぶりに右京(水谷豊)にお気に入りの常連客が巻き込まれた事件の捜査を依頼してきた。当時の相棒は冠城(反町隆史)だったのだが、彼と初対面だったヒロコママは、冠城を「薫ちゃんの代わり」呼ばわり。その後も冠城に対しては「顔からして信用できない」「無駄にイケメン」となぜか少し警戒心をあらわにしている。ヒロコママにとっては、特命係といえば右京&亀山コンビなのだろう。

 そんなヒロコママは、サルウィンから帰国しても一向に姿を見せない亀山にちょっとご立腹の様子で、仲間と共謀して亀山にドッキリを仕掛けることにする。そんな中、店の常連であるという著名なルポライターの男性の遺体を発見してしまう。興味を持って事件を調べ出す右京にヒロコママは、被害者が公園の炊き出しに集まる生活困窮者を取材中で、最近、その困窮者を食い物にしていた半グレ集団に脅されていたという重要な情報を提供。予告映像では、右京が「ヒロコさん、お手柄です!」と言ってる場面が映し出されている。

 ヒロコママは、大好きな特命係の近づく女性たちをライバルだと思っている節がある。過去には、右京たちの行きつけの店「こてまり」に来店し、女将の茉梨(森口瑤子)にライバル宣言をしたり、「トリオ・ザ・捜一」のメンバーである出雲(篠原ゆき子)のことを「おかちめんこ」と呼んで、小競り合いをしたりしたことがある。ヒロコママは今回、遺体を発見したことで事件関係者となるため、出雲とは再び、接点を持つことになるだろう。このふたりの軽快なやりとりも楽しみにしたいところである。

 とにかく常にハイテンションでキャラが濃いヒロコママ。通算で20年近くヒロコママを演じる深沢の“変わらなさ”も見事だ。久しぶりにお気に入りの亀山と再会した直後に、事件を呼び込んでしまうのもさすがである。毎回、見事な連携を見せる右京と亀山を、今回はかなり引っ掻き回してくれそうだ。右京&亀山&ヒロコママの一風変わったトリオが活躍する『相棒』も見逃せない。

■放送情報
『相棒 season21』
テレビ朝日系にて、毎週水曜21:00~21:54放送
出演:水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西惇、田中隆三、神保悟志、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二ほか
エグゼクティブプロデューサー:桑田潔
チーフプロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真通
脚本:輿水泰弘ほか
監督:橋本一ほか
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日、東映
©テレビ朝日・東映
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
公式Twitter:@AibouNow

関連記事