夏木マリは若者成長ドラマの守護神 『夕暮れに、手をつなぐ』『おかえりモネ』での説得力
前クールの火曜ドラマ『君の花になる』(TBS系)にも出演し、男性アイドルグループ8LOOMが所属する芸能事務所の女社長・花巻由紀を演じた夏木。自立した女性という点では響子やサヤカとも共通するが、当初花巻は情が薄い人物として描かれていた。自分にも他人にも厳しく、見込みがないと判断したものは容赦無く切り捨てる経営者としての強さを夏木は全身から滲ませる。だが、そのしなやかな佇まいが状況に応じて自身の考えをアップデートできる彼女の柔軟さも同時に物語っていた。
夏木マリという人物そのものに誰もが抱く、気高く美しい女性像が演じる役にも乗っかりながら、どれ一つとして同じにはならない。今回演じる響子はその一挙一動に少女心が宿っており、空豆や音にも何かを教えるというよりは限りなく対等な存在としてそこにいる。普段は気まぐれで銭湯の番台に座り(ちなみにこの銭湯は『おかえりモネ』でも撮影に使われた)、心が赴くままにキャンパスに向かう響子。決して多くの人が思う立派な大人ではないのだが、そのいい加減さが逆にあーでもないこーでもないと悩める若者たちの心を救うのではないだろうか。
夏木自身が表現者であるため、響子が放つ言葉にも説得力がある。特に第2話における「ものを作るってのは人間が1番遠くまで行ける手段なんだよ」という響子の金言は軽やかな台詞回しにもかかわらず、とてつもない力強さがあった。この人から次は何を教わることができるのだろうと、ワクワクさせてくれる存在である夏木。その言葉と行動に魅せられたい。
■放送情報
火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:広瀬すず、永瀬廉(King & Prince)、川上洋平([Alexandros])、松本若菜、田辺桃子、黒羽麻璃央、伊原六花、内田理央、櫻井海音、茅島成美、酒向芳、遠藤憲一、夏木マリ
脚本:北川悦吏子
演出:金井紘、山内大典(共同テレビジョン)、淵上正人(共同テレビジョン)
プロデューサー:植田博樹、関川友理、橋本芙美(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
編成:三浦萌
制作協力:共同テレビジョン
製作著作:TBS
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