『舞いあがれ!』IWAKURA元従業員・小森の複雑な心境が滲む 長濱ねるの夫役は誰に?

 15分という限られた枠で放送される朝ドラでは、冒頭の役名リストを見るとおおよその流れが予想できたりする。『舞いあがれ!』(NHK総合)第80話では、五島の人々とIWAKURA元従業員の小森(吉井基師)がクレジットされたが、どちらも単なる再登場で終わらなかった。

 菱崎重工の荒金(鶴見辰吾)の依頼で航空機エンジンのボルトを試作することになったIWAKURA。笠巻(古舘寛治)と結城(葵揚)を中心に取り組むが、思うようにいかない。1000度以上の高温に耐えるニッケル素材の合金は特殊な加工技術が必要で、金属加工を専門とする長井(や乃えいじ)に相談することになった。

 「うめづ」での打ち合わせに現れたのはかつての同僚だった。IWAKURAを退職し、長井の会社に再就職した小森。その後、めぐみ(永作博美)が長井金属を訪れた際には現在の職場になじんでおり、小森の件は一件落着したと思っていたが、それは違っていた。

 ニッケル加工ができる機械は長井の会社にしかなく、使わせてほしいと頼む舞(福原遥)に小森は一瞬渋い表情を見せる。浩太(高橋克典)の夢を叶えたいと真剣に訴える舞の言葉を聞いて、小森は「長井が良ければ」と間に入って取り次ぐことを約束した。

 「勘違いせんといてな。あくまで先代と笠巻さんのためやから」と釘を刺す様子から、これだけは言っておかないとという心の動きが伝わってきた。小森は自分がリストラされたことを忘れたわけではない。「IWAKURAで働けることが自慢」とまで語っていた小森は、会社から必要ないと言われたことに深く傷ついた。IWAKURAの状況を理解し、最終的に受け入れたものの、それでも直接の相手である舞とめぐみには複雑な感情を抱いていた。

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