吉川愛、2023年はさらなる躍進の年に 子役時代から2022年の大活躍までを振り返る

 2022年にブレイクを果たした吉川愛の、さらなる躍進が期待される1年が始まった。

 1月6日23時15分よりテレビ朝日系で放送される単発ドラマ『やっぱそれ、よくないと思う。』で主演を務める吉川。ソフトバンクモバイル『ホワイト家族』や家庭教師のトライ『ハイジ』シリーズなどで知られるCMプランナーの澤本嘉光が脚本を手がける本作で吉川が演じるのは、今や一つの職業として認識されているストリーマー(動画配信者)だ。

 吉川扮する主人公の上新井田みどりは、2人の仲間・園木佳奈(久保田紗友)、池照海(井上祐貴)と共に動画制作を始めるも再生数に伸び悩み、モテない男子・石橋渉(岡山天音)を騙して恋愛をするという、ドッキリ系の企画に手を出す“イマドキ”の女の子。だが、石橋の優しさや純粋さに触れ、次第に自分がしていることの罪悪感にさいなまされていく。

 現在23歳にして、芸歴は20年近く。そんな吉川のキャリアを振り返ってみると、彼女は本作のように観る人をちょっとハラハラさせるようなキャラクターを演じることが多い。吉田里琴名義で活動していた子役時代は、『オー!マイ・ガール!!』(日本テレビ系)での“人気子役”役や『メイちゃんの執事』(フジテレビ系)での天才児役など、様々な作品で大人を翻弄する子供たちを演じていた吉川。その実、彼女たちには大人にならざるを得ない事情があり、そこに隠れた憤りや寂しさを可視化させる吉川の芝居に心を動かされた。

 吉川は2016年に一時芸能界を引退するも、翌年に復帰を果たし、現在の芸名で活動を開始。大人になった彼女は、ヒロインのライバル役や友人役で注目を集め出す。2019年1月期ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)では、横浜流星演じる由利匡平に一目惚れする女子高生の“エトミカ”こと、江藤美香役で話題に。ぶりっ子で好きな人には重たいくらいに一途。深田恭子演じるヒロインで、由利の通う塾の講師・春見順子に何かと突っかかる、ライバルらしい役柄だ。一方で、吉川が表現するエトミカの今にも一線を超えてしまいそうな、若さゆえの危うさにはどこか自分にも思い当たる節があった。

 その1年後に放送された、同じくTBS系火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』で吉川が演じたヒロインと同期の新人看護師役も一見クールで強気だけど、回を追うごとに彼女の不器用なかわいらしさが浮き彫りに。朝ドラ『おちょやん』(NHK総合)で演じた女優を目指すカフェーの女給役も、脇役でありながらもっと知りたくなるような魅力があった。繊細な役作りで、人間なら誰しもが持つ多面性を表現する。それが吉川の役者としての力だ。

 映画『ハニーレモンソーダ』でもヒロインの石森羽花役で、地味だった女の子が好きな人に影響を受けて変化していくさまを鮮やかに体現。同作での演技が評価され、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したのを皮切りに、2022年は吉川にとって重要な1年となった。

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