前原滉&大友花恋の“感覚”で分かり合える関係性 『散歩時間』アドリブに詰まった素の魅力

共演者を兄弟に例えるなら?

――共演した柳ゆり菜さん、中島歩さん、篠田諒さん、めがねさんとの思い出も聞かせてください。

前原:たくさん話したし、いろんな種類の人がいました(笑)。今ひらめいたんだけどさ、あの6人が兄弟だとしたら、どういう構成になるんだろね?

大友:それ、おもしろいですね。

前原:年齢は関係ないとして、末っ子は誰だと思う?

大友:なぜかわからないけれど……中島さん?

前原:あははは、自分もそうなのよ(笑)。

大友:あんなにダンディでかっこいいのに、自分のペースをきちんと持っていらっしゃるんですよね。

前原:超マイペースでね。でも、それが素敵なんです。

大友:魅力的でしたね。

前原:次はめがねさん? いや篠田くんか!?

大友:篠田さんは真ん中くらいだと思います。

前原:そうね、そうね。3、4番目くらい。

大友:中島さんが末っ子だとしたら、その上はめがねさん。常識にとらわれない三女、というイメージです。

前原:いろんなタイプの上のきょうだいを見て、チャキチャキしている三女。その次はゆり菜ちゃんかなー。

大友:あの……私はまだ出て来ないんですか?

前原:僕は長女だと思ってるの(笑)。ずーっと現場で、いい姿勢で待ってるから。

大友:姿勢の話!?(笑)

前原:子どもたちは、いい姿勢で待てないから(笑)。でも、意外と長女はゆり菜さんなのかな。

大友:ゆり菜さんは、年下に見せかけた長女だと思います。ふだんは周りに合わせて話しているけれど、実は一番大人っていう。

前原:そうだね、姉御っぽさもあるしね。だから、上からゆり菜ちゃん、大友さん、僕、篠田くん、めがねさん、中島さんです(笑)。

大友:本当に個性豊かで、楽しいみなさんでした。監督は当て書きもしたとおっしゃっていましたが、それぞれ素の魅力も入っているので、劇中の雰囲気と近いかもしれないです。

――6人の会話は、ほとんどがアドリブだそうですね。

前原:それも、戸田さんの勇気ですよね。本当は台本通りにやれたらいいんですけど、どうしても埋まらない部分を「やってみて」と言えるのは。

大友:でも、そう言われたときに喋れない人がいなかったというのもすごいなと。こうきたらこうしよう、そうきたらそうしようと、みんなで連係プレーが取れたのも嬉しかったです。

前原:それでいうと、やっぱりオーディションで選んだっていうのは大きいかもね。この人たちになら任せてもいいと思ったから、オーディションで選んだんでしょうし……僕はその中に入っていないんですけど。

大友:オーディションを経て、前原さんにたどり着いたわけですから。

前原:そうですね、本当にありがたいことです!

――最後に、この作品を通して、ご自身の考え方などに変化があれば教えてください。

大友:先ほど話した2人で会話をするシーンでは、ゆかりが自分の思いを伝えることで2人の仲がぐっと縮まるんです。それを見て、私自身もふだんは受け身になってしまい、自分の本音を話すことが苦手なのですが、これからはもう少し彼女みたいに話していけたらいいなと考え方が変わりました。

前原:「コロナだからこう」「そうじゃないからこう」じゃないんだなって。周りの状況が違うからとか、自分の環境がちょっと変わったから、ということではなくて、「大事なことは大事なことなんだ」っていうのは、この作品をやって気づけたのかなと思います。家族との関係、友達との関係、人と人との関係は、いつだって大事。その人とどう接していくのかは、状況に関係なく決められる人間になれたらいいなと思います。

■公開情報
『散歩時間~その日を待ちながら~』
全国公開中
出演:前原滉、大友花恋、柳ゆり菜、中島歩、篠田諒、めがね、山時聡真、佐々木悠華、アベラヒデノブ、高橋努
原案・監督・編集:戸田彬弘
脚本:ガクカワサキ
音楽:茂野雅道
配給・宣伝:ラビットハウス
製作:チーズfilm、TOHEARTS Inc.、高橋淳、深澤知
2022/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/95分
©2022「散歩時間〜その日を待ちながら〜」製作委員会
公式サイト:sanpojikan.com
公式Twitter:@sanpojikanMovie

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