『アイドリッシュセブン』TRIGGERの“醒めない夢”にエールを 神回だった再起のライブ

 TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』について、第20話でのTRIGGER(トリガー)の再起がファンの注目を集めている。新グループŹOOĻ(ズール)の登場に伴うツクモプロダクションの陰謀によって、所属事務所を離れることになったTRIGGER。元々はIDOLiSH7(アイドリッシュセブン)の先輩ポジションとして、完璧なパフォーマンスと頼れる背中を見せてきた彼らだが、今期では回を追うごとに「応援したくなる」存在へと変化を遂げていく。

 TRIGGERといえば、化粧品ブランド『Maison KOSÉ(メゾンコーセー)』のアンバサダーへの抜擢も話題に新しい。今回はアニメ1期からファンを魅了し続けるTRIGGERの魅力を『アイドリッシュセブン Third BEAT!』から紐解いていく。

完璧なはずの「TRIGGER」に容赦なく襲い掛かる苦難

 TRIGGERの魅力といえば、まずステージと普段の姿のギャップだろう。“抱かれたい男No. 1”の異名を持つリーダーの八乙女楽(CV:羽多野渉)はスタイリッシュな見た目に似合わず魂の熱い男だし、完璧主義者で誰よりもステージにこだわるセンターの九条天(CV:斉藤壮馬)は実は弟想いで面倒見がいい。そしてセクシーワイルドを売りにする最年長の十龍之介(CV:佐藤拓也)は優しい心の持ち主だ。パフォーマンスのレベルの高さは圧倒的で、過去回では時に厳しくも愛のある振る舞いでIDOLiSH7のメンバーに刺激を与えていく姿が印象的だった。

 IDOLiSH7のような誰が見ても仲が良いグループというわけではなかったTRIGGERの、内に秘めていた絆がはっきりと見えはじめた今期。口では冗談まじりに悪態をつきながらも、互いにかけがえのない存在であることを強く感じているようなシーンが印象的だ。

 しかしそんなTRIGGERに容赦無く苦難は襲いかかり、事務所を離れざるを得なくなった彼らは、マネージャーの姉鷺の後押しでストリートミュージシャンとして第一歩を踏み出すことになる。いいことは長く続かない、ハラハラする展開はアニメ『アイナナ』の基礎ルールのようなものだと思って覚悟はして今期も臨んで観たものの、あまりに過酷な仕打ちである。

 着実に成功への階段を駆け上がっていくIDOLiSH7と対比するかのように、第19話で会場探しに悩むTRIGGERを見て正直に言うと胸が軋んだ。ファンにとっても、IDOLiSH7にとっても「光」であり続けたTRIGGERの、表立ってアピールはせずとも積み上げて上げてきた真っ直ぐな努力が報われてほしいと切に願わずにはいられなかった。

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