しかし、まだ桃井を脅していた連続殺人犯のLLは見つかっていない。残るメインキャラクターは、浦島亀一だ。前回の放送で、15年前のことを逃亡中のエイジに話していた亀一。八野衣は若い頃、悪さをして何度も警察の世話になっていたが「根は真面目で困っている人を見ると黙っていられない優しい一面があった」と言う亀一は更正に手を尽くしてきた。だが、心の闇を見抜けず、LLを世に解き放つ手助けをしてしまった過ちを償いたいと、養護施設に預けられていたエイジを引き取り育ててきたと吐露した。

　気になるのは、猿渡がB一に放った「LLはお前の親父だ。お前の親父は拷問好きの変態野郎なんだ」という言葉だ。それは亀一と八野衣どちらを指した言葉なのか。

　毎回どこかしら怪我をしている亀一は、拷問好きの、デートクラブの顧客の1人だったとしても不思議ではない。亀一が犯行をなすりつけるためにLL事件をでっちあげた。また、正義感が強い八野衣が、亀一の素性を告発しようとしてハメられたという線もある。

　また、京花（門脇麦）を刺したのは誰かという問題もある。エイジ（B一）が病院に潜入し真相を聞くと、京花は「刺したのはLL」と高笑いし、「LLは私たちのすぐ近くで生きていた」と話していた。これもエイジの身内説が色濃くなる。

　そしてもう1人、このドラマで全く描かれていない身内がいる。エイジの義理の姉、亀一の娘・浦島乙（夏子）だ。会話の中に「姉」というワードが出てきたり、家族写真には度々登場するものの、なぜか公式サイトの相関図では紹介されていない。

　初登場時には、ボサボサの髪でエイジを家の中から睨みつけていた乙。この様子から、引きこもりか精神を病んでいるのかもしれない。ずっとエイジの近くにいれば、B一の存在にも気づいているはずで、すでにB一から脅されていると考えるのが自然だ。また、もし亀一が“変態野郎”ならば、乙が病んでしまうような原因があっても不思議ではないし、亀一の素性を知っている可能性もある。

　もし亀一がLLなら、事件を掘り返したことへの戒め、乙の仕業だとすれば、エイジを苦しめるためにエイジの愛する彼女を刺した、もしくはエイジを守ろうとしたのかもしれない。この物語は、猿渡と桃井の関係や、京花のLLやエイジに対する思いをはじめ、歪んだ愛情が殺意へ変わることが多い。ならば、乙が父親やエイジに歪んだ愛情を持っている可能性もあるだろう。あとはもう義母しか容疑者が残っていないが、果たして。

■放送情報
『親愛なる僕へ殺意をこめて』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00～22:54放送
出演：山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ほか
原作：『親愛なる僕へ殺意をこめて』原作：井龍一、漫画：伊藤翔太（講談社ヤングマガジン刊）
脚本：岡田道尚
総合演出：松山博昭
プロデュース：草ヶ谷大輔
音楽：☆Taku Takahashi（m-flo）
主題歌：Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
制作著作：フジテレビジョン
©フジテレビ
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