『僕のワンダフル・ジャーニー』再び生まれ変わりの旅へ ベイリーの献身的な愛が伝播する

 大好きな人と過ごす日々に生きる意味を見出したベイリー。それから時は流れ、続編となる『僕のワンダフル・ジャーニー』の冒頭では、老犬になったベイリーが、前作から続投のデニス・クエイド演じるイーサン、その妻のハンナ、そして新たな家族の一員となっていた孫娘のCJと幸せな日々を送る姿が。

 しかし、CJの母親・グロリアは亡き夫の両親であるイーサンとハンナとは折り合いが悪く、ついにはCJを連れて家を出ていってしまう。イーサンたちが悲しみに暮れる中、ベイリーも“犬生”に別れを告げるときが……と思いきや、ここで終わりではなかった。大好きなイーサンに「生まれ変わって、CJを守り抜く」という使命を与えられたベイリーは、今度はCJと再び巡り会うための生まれ変わりの旅に出ることに。

 前作の魅力はそのままに、本作ではベイリーの“犬生”だけではなく、CJという一人の女性の“人生”もじっくりと描かれる。CJは父親を生まれる前に亡くし、母親のグロリアからも十分な愛情を注がれなかった。そんな彼女が大好きな人との約束を果たすため、懸命に自分の孤独に寄り添い、救おうとするベイリー(とその生まれ変わりである犬たち)との関わりを通して、自ら愛することを学んでいく。ベイリーの献身的な愛がどんどん伝播して、最後はバラバラになった家族がひとつになっていく再生の物語だ。

 観ている私たちもベイリーの姿に教えられることは多い。とりわけ、前作でもそうだったが、この映画では人間の都合で振り回される犬たちの存在もしっかりと描かれている。愛は一方的に与えられるものではなく、与え合うもの。家族の一員であるペットたちが私たちを愛してくれるように、私たちも彼らを愛し、大切にしたいと思える作品だ。もちろん愛した分だけ別れは寂しいけれど、“犬生”を全うしたベイリーを待ち受ける結末がそこに救いの手を差し伸べてくれる。ファンタジーの力も借りながら、人間と犬の絆を描いた『僕のワンダフル・ジャーニー』で週末をあたたかな気持ちで過ごしてほしい。

■放送情報
『僕のワンダフル・ジャーニー』
日本テレビ系にて、11月4日(金)21:00~22:59放送 ※放送枠5分拡大
原作・脚本:W・ブルース・キャメロン
監督:ゲイル・マンキューソ
製作:ギャヴィン・ポローン
製作総指揮:セス・ウィリアム・マイヤー、ラッセ・ハルストレム、ファン・ルーユアン、チャン・ウェイ
出演:デニス・クエイド、キャスリン・プレスコット、マージ・ヘルゲンバーガー、ベティ・ギルピン、ヘンリー・ラウ、アビー・ライダー・フォートソン、ダニエラ・バルボサ、ジェイク・マンリー
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