木村文乃×広瀬アリス×菜々緒×シム・ウンギョン『七人の秘書』座談会 次回作の構想も?

 2020年10月から12月にかけてテレビ朝日系木曜ドラマ枠で放送された『七人の秘書』が、『七人の秘書 THE MOVIE』として初めて映画化された。表では“名もなき秘書”として働き、裏では人知れず弱きものを救う“影の軍団”として暗躍する“七人の秘書”の活躍を描く『七人の秘書』。連続ドラマ版のキャスト・スタッフが再集結した劇場版では、“七人の秘書”が新たに、「アルプス雷鳥リゾート」を経営し、信州一帯を支配する「九十九ファミリー」と対峙する。連続ドラマ版から引き続き劇場版に出演している、望月千代役の木村文乃、照井七菜役の広瀬アリス、長谷不二子役の菜々緒、朴 四朗(パク サラン)役のシム・ウンギョンの4人にインタビューを行い、撮影の裏話やそれぞれの関係性、さらなる続編への意欲について話を聞いた。

ムードメーカーは菜々緒&大島優子

ーー『七人の秘書』待望の映画化となりました。連続ドラマ時代から皆さん手応えは感じられていましたか?

木村文乃(以下、木村):いや、みんなこっち見るじゃん!(笑)

菜々緒:そりゃリーダーですから(笑)。

木村:(笑)。連ドラは視聴率が右肩上がりにちょっとずつ上がっていって、あまり落ちることがなかったんですけど、私はちょっと後ろ向きな人間なので、逆にそれが怖くもあったんです。どこかでガクッと落ちたらいろいろ言われてしまうんじゃないかなと。でも、放送の翌日には数字が発表になって、皆さんお祭り騒ぎで迎えてくださったので、その度に不安を取り除いていただいているような感覚でした。皆さんはどうでした?

菜々緒:撮影が終わりかけのときに、「これ、もしかしたら続編あるんじゃない?」みたいな雰囲気が全体的にあったんですよ。みんなで「あるかもね!」みたいなことを言っていたので、続編の話を聞いたときの「あ、やっぱり?」みたいな雰囲気はみんなにあったのかなと。

シム・ウンギョン(以下、シム):私だけちょっと予想できなかったんですよ。ドラマの撮影の最後のときに、これで最後なんだと思って、「みんな、さよなら~」って言っていたので(笑)。

広瀬アリス(以下、広瀬):確かに! 「さよなら、みんな忘れないで~」って言ってた(笑)。

菜々緒:一生の別れみたいな挨拶をしてたもんね(笑)。

シム:「次いつ会えるかわからないけど……」って(笑)。

菜々緒:確かに。言われてみればそうだった。

シム:参加したドラマがシリーズになるのは初めての経験だったので。

広瀬:私は連ドラのときから、何でもできるよねという話を監督としていました。映画が始まったときも、やっぱり何でもできるよねって(笑)。なんなら、ちょっと場所でも変えて、暖かいところにしよう、みたいな(笑)。

一同:(笑)。

広瀬:現場がすごく寒かったので、次は気候の良いところがいいよねという話は結構していて。なので、連ドラが終わるときは、前向きに「またね!」ぐらいの感じで、全然終わりという感じはしなかったです。1年越しに、またみんなで集まれたのは嬉しかったです。

木村文乃

ーードラマの放送から今回の映画公開まではちょうど2年の間隔が空いていますが、撮影は1年前くらいだったんですか?

広瀬:今年の1月とかでした。

菜々緒:うそ! そうだっけ!?

シム:年明けてちょっとしてから撮影が始まって……。

菜々緒:そっか! 時の流れの速さが恐ろしいね。

木村:映画って、撮影から公開まで普通はもうちょっと時間をかけるものですけど(笑)。

菜々緒:撮影してすぐ公開になる感じですね(笑)。

木村:しかもスペシャル(ドラマ)も同時に撮ってたから!

菜々緒:そうそう! 映画の合間を縫ってスペシャルを撮ってたから、私たちも途中でわけがわからなくなっちゃって(笑)。

広瀬:ごっちゃになってませんでした?

木村:「この敵はどっちの敵だっけ?」みたいな。

菜々緒:そうそう(笑)。なってました。でも、連ドラからそこまで間が空いてなかったから、ブランクは全く感じなかったよね。ちょっとお休み期間をもらって続編を撮った感じだった。

木村:でも、最初に今回の映画の台本をもらったとき、ドレスのままスノーモービルでアクションとか、無謀なことが結構たくさん書いてあったので、これは大変だろうと思いました(笑)。

菜々緒:大変そうだなという印象はすごくありましたね。

木村:アクションの分量は今までで一番多かったよね?

菜々緒:そうですね。雪の上でのアクションが初めてだったので、そこはやっぱり大変でした。私はまだスノーブーツだったからよかったものの、スタントマンさんは普通に革靴でやっていて。「さすがプロ!」という感じで、感心しっぱなしでした。ドレスを着ながらアクションというのも初めてだったので、それも大変でしたね。ちょうどここ(取材場所の会議室)で練習してたんですよ。

シム:アリスはいなかったですよね?

広瀬:私はずーっといない!(笑)

菜々緒:でも、アリスはアクションできるタイプの人でしょ(笑)。

木村:あれドラマ撮影のときだっけ? 『地獄の花園』の役を引きずったまま2人が来ていて……。

広瀬アリス

広瀬:『地獄の花園』で菜々緒さんを蹴り飛ばした次の週に、私はこの作品で菜々緒さんにビンタされてましたから(笑)。どカオスな期間でしたね。

木村:今回、映画ではウンギョンちゃんもアクションをしていて。

菜々緒:超見どころだよね!

シム:この作品では初めて挑みました! ちょっとコミカルになったんですけど、ぜひ注目していただけたら嬉しいです。

ーー話を聞いているだけで、撮影現場の楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

広瀬:本当に賑やかでした。

菜々緒:女子大みたいな感じだったよね。

シム:菜々緒さんがその中心、リーダーでした。

菜々緒:私だけじゃなくもう1人、大島優子という者がおりまして……。この2人がふざけだすと、ちょっと収拾がつかなくなるという(笑)。

シム:雪山のお屋敷で、木村さんやアリスのすごくシリアスな、映画のハイライトとなるようなシーンを撮っていたときに、私と菜々緒さんと大島さんの3人はちょっと空き時間があったんですよ。寒かったこともあって私はじっとしていたんですけど、ビックリすることに、菜々緒さんと大島さんがかまくらを作り始めていて……(笑)。

菜々緒:(笑)。あまりにも寒すぎて、じっとしてたら死ぬと思ったんですよ。なのでずっと動いてようという話になって。

広瀬:スクワットをしているのは見ました(笑)。

菜々緒:スクワットをしたり、かまくらを作ったり、しまいには機材を運ぶソリで滑り台を作って遊んだり(笑)。のちのち聞いたところによると、優子ちゃんが「あれはよくなかった」とめちゃくちゃ落ち込んでいて。「あれはマジでよくなかったと思う」と言われて、私もちょっと反省しました。

広瀬:いや、逆にあんな感じでいてくれてよかった! こっちは生死をさまよっている感じだったから(笑)。

木村:うん、キャンプファイヤーの炎みたいな感じだったよ。みんな見てほっこりする、みたいな。

菜々緒:ほんと? ならよかった!

シム:私、途中で一瞬寝てしまったんですけど、起きて外に出たら、まだやってました(笑)。

菜々緒:はははは!

シム:それも1~2時間どころじゃない(笑)。

木村:体力あるよね。

菜々緒:ある意味ね。なんなら、ちょっと汗ばんでたもん(笑)。

広瀬:え~あの現場で! うらやましい!

――菜々緒さんと大島さんが現場のムードメーカー的な存在だったんですね。

木村:優子ちゃんが、話題を見つけてくるのがすごい上手で。

菜々緒:回し上手。まとめ上手みたいな感じかもね。

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