『親愛なる僕へ殺意をこめて』山田涼介の人間らしい姿に安堵 愛おしい門脇麦との信頼関係
『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)第3話で早くもサイ編が完結となる。浦島エイジ(山田涼介)は、サイ(尾上松也)にとらわれている京花(門脇麦)を助けるために、ある作戦を遂行するのであった。そこでエイジは目を覆いたくなるほどの激しい拷問を受けることになる。
サイが葉子(浅川梨奈)に暴力を振るっている動画が残っていたことから、白菱(佐野史郎)はそれを証拠に警察に通報しようとしていた。しかし時を同じくしてサイから、京花を人質にしたことを知らせる動画がエイジの元に送られてくる。サイは6000万を盗んだ犯人がエイジたちだと気付いたのだ。エイジはその金を返すために、サイに会いに行くことになる。しかしこのままではナミ(川栄李奈)がスカルの手から逃れられないと途中で気付き、ある策を練ることに。だがサイに合ったエイジは、アリスの顧客リストが盗まれていたことを知らされる。サイは犯人をエイジだと思っているが、エイジには全く思い当たることがなかった。
1つ問題が明らかになったかと思うとまた新たな情報が飛び出し、事件の真相はより複雑になっていく。そんな中、エイジが知らないところでB一(山田涼介)が“何か”を企んでいた様子が続々と明らかになる。エイジはアリスの顧客リストを盗んだ疑惑をかけられ、サイから激しい拷問を受けた。縛り付けられ、椅子ごと倒され、高いところに吊るされるなど過激な場面が続くが、ここでは改めて山田の身体能力の高さが窺い知れた。こうしたシーンを乗り越えるには精神的にも肉体的もハードだっただろうと感じるが、山田は丁寧に芝居を乗せてエイジの心情を表現していた。作品全体を通して恐怖にさらされ、いつも震えている気弱なエイジだが、そんなエイジがサイを出し抜いて「僕の勝ちだ」と言うまでの力を振り絞ることができたのは、京花への愛や、ナミに幸せになってほしいという共感の気持ちがあったからだろう。
そしてまた、エイジの心が真っ直ぐで、他者への思いやりにあふれた人間であることもうかがえる。山田が、こうしたエイジの内面を細やかに表現するからこそ「エイジは絶対に京花やナミたちを裏切らないんじゃないか」という信頼感を持って応援することができるのだ。その一方で、B一が何をしているかわからないという恐怖を孕むのが、この作品の根幹の部分だろう。未だ、その実態が明らかにならないB一が活躍する日が待ちきれない。
エイジには心から大切な京花という存在がいる。第3話では京花と理解を深め、さらに信頼関係を築いている様子が強く伝わってきた。エイジが京花に対して向ける柔らかい笑顔からは、束の間の安堵を感じる。痛々しいシーンも多く、ハラハラしっぱなしでまったく気が抜けない本作だが、エイジが京花やナミと人間らしい交流を続ける様子から、徐々にエイジという人格の根幹の部分が見えてきた。決してたくましい人物というわけではないが、大切な人たちのためなら危険をいとわない芯の強さが愛おしい。物語が1つの区切りを迎えたと同時に新たな謎が立ちはだかった。次週、新展開を迎える第4話が楽しみである。
■放送情報
『親愛なる僕へ殺意をこめて』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ほか
原作:『親愛なる僕へ殺意をこめて』原作:井龍一、漫画:伊藤翔太(講談社ヤングマガジン刊)
脚本:岡田道尚
総合演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
音楽:☆Taku Takahashi(m-flo)
主題歌:Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
制作著作:フジテレビジョン
©フジテレビ
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