奈緒の演技になぜ虜になってしまうのか? 持ち前の愛くるしさと、垣間見える“底力”の凄み

 高畑充希、杉咲花、今田美桜など、若手人気女優が週の折り返しに観る人の心にビタミンを与えてきた日本テレビ系“水曜ドラマ”。その枠で10月5日より新たにスタートするのが、縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーと、彼女とともに改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの“奇跡の実話”を元にしたドラマ『ファーストペンギン!』だ。

 本作で主演を務めるのは、27歳の奈緒。寂れた港町に5歳の息子とともに移り住んできた、家もお金も仕事もない、崖っぷちのシングルマザー・岩崎和佳を演じる。

 奈緒といえば、現在公開中の映画『マイ・ブロークン・マリコ』に出演。同作は平庫ワカの同名コミックを実写映画化したもので、主人公のトモヨ(永野芽郁)が亡き親友マリコ(奈緒)の遺骨とともに“ふたり旅”に出るストーリーだ。これまで眩しいほどのヒロイン像を体現してきた永野が見事なやさぐれっぷりを披露し、新境地を開いたことでも話題となっている。

 そんな永野が今回のオファーを受けた理由の1つとして、「奈緒ちゃんが(マリコ役を)やるならできるかも」と語っていた(※)。ふたりは2018年の上半期に放送された連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)でも共演。奈緒は永野演じるヒロイン・鈴愛の幼なじみである菜生を演じた。

 くだらないことで一緒に笑い、恋や進路の悩みを分かち合うふたりの名コンビぶりに癒されていた人も多いのではないだろうか。ここで培われた永野と奈緒の信頼関係があってこそ、『マイ・ブロークン・マリコ』の実写化が成立したのかと思うと感慨深いものがある。

永野芽郁&奈緒が作品への想いを語る 『マイ・ブロークン・マリコ』インタビュー映像

現在公開中の映画『マイ・ブロークン・マリコ』に出演している永野芽郁と奈緒のインタビュー映像が公開された。  『ふがいない僕は空…

 そして、この作品は女優・奈緒の名を世間に知らしめるきっかけにもなった。鈴愛と戯れている時の笑顔、弓道で的を大きく外した時の情けない表情、幼なじみたちとの別れに寂しさをにじませる顔。くるくると変わる表情は何とも愛らしく、見ているだけで自然と顔がほころぶ。

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