黒沢清からコメントも 青木柚主演×甫木元空監督『はだかのゆめ』予告編&ポスター公開

 11月25日に公開される甫木元空監督作『はだかのゆめ』の予告編とポスタービジュアルが公開された。

 本作は、若くして両親を亡くし、高知県で祖父と暮らす甫木元監督自身の現在が投影された物語。

 四国山脈に隔たれた高知県。いまだダムのない暴れ川の異名を持つ四万十川。太平洋に流れ出るその川の流れとともに、老いた祖父と余命をそこで暮らす決意をした母と、それに寄り添う息子・ノロ。現世を憂うノロは、近づく母の死を受け入れられずに死者のように徘徊していた。そのノロを見守るように寄り添うおんちゃん。彼もまたこの世の者ではないのかもしれない。息子を思う母、母を思う息子がお互いの距離を測り直していく。

 公開された予告編は、かつて故・青山真治氏から甫木に贈られた「日本映画に現れた、甫木元空という『最後の映画作家』」という言葉と、黒沢清監督から新たに届いたコメントから始まり、ノロの「生きてるものが死んでいて、死んでるものが生きてるような」というセリフとともに日々の営みが映し出されている。

映画『はだかのゆめ』予告編

 あわせて公開されたポスタービジュアルは、部屋の中で机に向かうノロの姿が写され、「いつか夢にくらい顔をだしてくれたら」というコピーが添えられている。

 なお本作は、第35回東京国際映画祭「Nippon Cinema Now部門」に正式出品されることも決定している。

黒沢清 コメント

突如ぷわーんと走ってくる列車に戦慄する。唯野未歩子がサラッと口にする言葉がものすごい。ホラーではないが、これは間違いなく死の映画だ。

■公開情報
『はだかのゆめ』
11月25日(金)より、渋谷シネクイントほか全国順次公開
監督・脚本・編集:甫木元空
出演:青木柚、唯野未歩子、前野健太、甫木元尊英
プロデューサー:仙頭武則、飯塚香織
撮影:米倉伸
照明:平谷里紗  
現場録音:川上拓也
音響:菊池信之
助監督:滝野弘仁 
音楽:Bialystocks
製作:ポニーキャニオン 
配給:boid/VOICE OF GHOST
2022年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/59分
©︎PONY CANYON
公式サイト:hadakanoyume.com

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