『純愛ディソナンス』それぞれの決断が描かれた最終回 奥深く丁寧に正樹を演じた中島裕翔

 罪の連鎖を断ち切るのは容易ではない。しかし全員が懸命に向き合う努力を続けたら......。『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)の最終話は、正樹(中島裕翔)と冴(吉川愛)の愛のゆくえとともに、それぞれの「決断」が描かれる。

 小坂(筧美和子)を殺したことを告白した晴翔(藤原大祐)は冴のことも屋上から突き落とそうとしていた。冴は間一髪のところで逃げきったものの、今度は助けにきた正樹が北都(和田正人)と踊り場で揉み合うことに。正樹を助けようとした冴は北都に振り払われた衝撃で階段から落下し、意識不明に陥ってしまう。なんとか入院中に意識を取り戻した冴だが、この出来事をきっかけに祝福されない関係を反省することになる。

 そして正樹とは別れ新たな道を歩もうとしていた。一方の正樹は賢治(光石研)の悪事を暴くため、謝罪会見で真実を伝えることを決意。正樹の言葉に共鳴したモノリスエステートの社員たちは続々退職願を出し、賢治は力を失った。そしてここから、それぞれの人生が再び好転する。正樹と愛菜美(比嘉愛未)は正式に離婚。冴と正樹は再会し、今度は正々堂々と交際できることに。

 純愛、不倫、そしてサスペンスを描いたセンセーショナルな作品かと思われていた『純愛ディソナンス』だが、最終話をむかえ、大きく印象を変えたように感じた。それぞれが自分の人生、そして大切な相手と向き合うことにフォーカスし、ねじれてきた関係を丁寧にほどき、編み直すようなラストとなった。正樹と冴はそれぞれの家族の問題を、縁を切ることではなく、修復しようと向き合うことで解決を試みる。碓井家も同じで、期待に応えることで愛情を受けようとしてきた北都が、ついに自分らしく振る舞えるように。ラストに賢治と愛菜美と北都が食事をとるシーンでは、親子でありながらも対等でいることで新たな信頼関係がうまれているように見えた。

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