『美男堂の事件手帳』ついに終幕 ソ・イングクが魅せた万華鏡のような演技

 コプリの正体を突き止めたハンジュンは、美男堂チームとジェヒ、警察の強行班チームとともにコプリ逮捕のために知恵をしぼり、作戦を練る。シリアスなサスペンスでありながら、豊富に挟み込まれるコメディーは、クライマックスでも容赦なくとどまることを知らない。ハラハラした緊迫感が高まる中で、突如はじまるコメディーにはニヤリとさせられる。

 コメディーやサスペンスとしてストーリーが進む中、物語のテーマである権力や社会に対するメッセージも台詞を通して描かれた。ナム・ヘジュン(カン・ミナ)が法の量刑について言う「人によって罪の軽重が変わる、お金や権力のある人間は処罰を逃れる場合が多い」という言葉は、物語の中で財閥や権力者の犯罪を隠蔽したことに対してだ。ハンジュンは、コプリに「人を断罪するとは何様だ! 正義なんか軽々しく口にするな!」という。自己正当化するコプリに対しての言葉だが、今の社会にも通用するメッセージでもあるのかもしれないと感じた。

 無事にコプリを逮捕したハンジュンとジェヒは、休暇に出ることにする。休暇の間のカフェ美男堂では、ヘジュンとスチョルが巫堂をしている。その地下の背景である明王がそれぞれ変化している演出も見逃せない。久しぶりに休息するハンジュンとジェヒの前には、新たな事件の様相があらわれる。ハンジュンとジェヒが今後も手を取り合いながら、事件を解決していくのだろう。重たい荷物を下ろしたハンジュンとジェヒが、じゃれ合いながら恋を満喫したり、共に捜査をしながら暮らしてゆくのだろうか。カフェ美男堂で飛び跳ねるハンジュンの姿が目に浮かぶようだ。

参考

※ https://www.newsen.com/news_view.php?uid=202208241056261910

■配信情報
『美男堂の事件手帳』
Netflixにて配信中
(写真はKBS公式サイトより)

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