『ちむどんどん』智と歌子が恋仲に進むのも時間の問題? 幼なじみに訪れた決定的な瞬間

 沖縄料理店「ちむどんどん」の開店に向けて、あわただしい日々を過ごす暢子(黒島結菜)。『ちむどんどん』(NHK総合)第99話で、暢子は矢作(井之脇海)の行方を探し、房子(原田美枝子)も消息を尋ねて八方に手を尽くしていた。

 「アッラ・フォンターナ」を突然辞めたかと思えば、店の権利書を盗んで売り飛ばした矢作。落ちぶれてふたたび姿を見せた矢作を雇うべきかは、視聴者の間でも議論になった。不在の間、店をまかせる料理人として暢子は矢作がベストと考えており、房子も矢作の身を案じている様子だ。矢作のしたことは許されることではないが、一流店で腕を磨き、暢子の性格も知り抜いている矢作は「ちむどんどん」のシェフ代行にうってつけである。真摯に反省するなら、チャンスを与えてもいいのではないだろうか。

 さて、過去のエピソードをのぞけば、恋愛模様に関してドタバタ感が否めなかった今作。100話目前で、ようやく“ちむどんどん”な2人が現れた。民謡歌手としての初ステージで、歌子(上白石萌歌)は客を前にして三線をつまびいて歌うが、その声はか細く、飛行音にかき消されてしまう。静かに耳を傾けていた客も、次第に雑談を始め、しまいには客同士の言い争いになる。それでも歌い続けるが、客の一人に「一緒に飲もう」と誘われ、困惑した歌子は逃げるようにその場を後にする。歌子の初舞台は失敗に終わった。

 人前で満足に歌えない自分への怒りもあるが、許せないのは智(前田公輝)がしたことだ。歌手としてお金をもらって立つ初めてのステージは、智が裏で手を回しており、ギャラも智が用意していた。勝手なことをされた憤りは、恥ずかしさも手伝い、幼なじみに向かって放たれる。「なんでだましたの? うちに同情したから? なんで?」と声を荒げる歌子。「俺はただ歌子を応援したかったから」と智は釈明するが、歌子の怒りは収まらず、矛先は智と暢子の関係に向けられた。

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