『赤いナースコール』堀口紗奈演じる加藤を襲った悲劇 老婆・三上の知りすぎた事情とは?

 『赤いナースコール』(テレビ東京系)第6話は、冒頭で「映像表現において特にショッキングなシーン」と告知されたとおり、悪夢が襲う戦慄の恐怖回となった。(以下、ネタバレあり)

 翔太朗(佐藤勝利)とアリサ(福本莉子)が病院の周りを散歩していると、謎の老婆・三上(藤夏子)に呼び止められる。三上は、翔太朗たちに「この病院は」と言いかけたところでトラックにはねられ死亡。前回、アリサに「事情を知りすぎてる」から榎木田病院を出られないと話した矢先の出来事だった。

 連続殺人の犠牲者は身体の一部を切り取られるなど常軌を逸した方法で殺されてきたが、殺害シーンが直接映されることはなかった。三上の死は事故として処理されたため連続殺人との関係は不明だが、開始早々の死亡シーンはたしかにショッキングだった。三上をひいたトラックには翔太朗が事故に遭ったトラックと同じ会社のロゴがあった。これまでに病院内で同じ会社のトラックが目撃されており、今回のことも合わせると決して偶然とは思えない。

 三上の死によって榎木田病院が抱える秘密は闇に葬られた。三上が知っていた事情とは何だったのか? 前回、看護師の西垣(浅田美代子)が院長の榎木田(鹿賀丈史)の元妻であることが明かされたが、第6話では新たに三上が榎木田の実の母親であることが判明。榎木田は婿養子として榎木田家に入り、実母を身近に呼んで面倒を見た(あるいは監視していた)ことになる。榎木田の旧姓が三上で、西垣は榎木田が病院に来る前に別れた妻と考えるのが妥当だろう。榎木田が病院を継いだ経緯と病院の呪われた噂に関係があるか、気になるところだ。

 『赤いナースコール』には多くの伏線が散りばめられているが、なかには本線と関連の薄いものも混じっている。前回、313号室で殺されたのは退院をほのめかした患者であると書いたが、翔太朗と同部屋でまだ生きている津田(山本浩司)や後藤田(森田甘路)は、それぞれすぐに退院しない理由があった。「世の中は事情で成り立っている」と看護師の山根(ベッキー)は話すが、すべての行為には事情があるため、どの事情が犯行と結びつくかが大事だ。もっともらしい事情の裏には出て行けない本当の理由があり、病院を舞台にした密室殺人が目的なら、患者が犯人という可能性も信ぴょう性が出てくる。病名がばらばらの患者を同じ部屋に集めた理由、スローモーションでたびたび強調される服薬シーンは何らかのヒントを示しているようにも思われる。

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