『ちむどんどん』暢子が独立開業に向けて動き出す 賢秀の悪癖が発動する不穏な走り出し
故郷である沖縄料理のお店を出すことを、みんなに宣言した暢子(黒島結菜)。連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)第19週は、暢子が独立に向けて本格的に動き出すも、その裏で賢秀(竜星涼)の悪い癖が発動する不穏な走り出しとなった。
重子(鈴木保奈美)から同居は断られ、暢子と和彦(宮沢氷魚)は下宿先のあまゆで新婚生活を送り始める。結婚も暢子の独立開業も認めてもらったが、条件は和彦の仕事を邪魔しないこと。
暢子は沖縄県人会の仲間やオーナーの房子(原田美枝子)からアドバイスを受けながら、一人で開業準備に入る。もっと多くの人に沖縄料理を知ってもらうため、鶴見ではなく東京に出店することだけは決まった。
もちろん、イタリアンのレストランで修行をした暢子が沖縄料理の店を出すことに疑問を持つ人もいなくはない。特に「アッラ・フォンターナ」の料理長である二ツ橋(高嶋政伸)は「もったいない」と嘆く。
ここまで彼女を育ててきた房子の気持ちを慮ってのことだった。房子はむしろ自ら暢子の独立を促してきたが、彼女の心の奥深くにある寂しさを二ツ橋はよく理解しているのだろう。
複数の料理人が突然姿を消した時も、借金トラブルに巻き込まれて店を荒らされた時も、従業員と店を必死で守ってきた房子。仲間はいても、結局すべての責任は自分一人で負わねばならない。経営者とは、ある種“孤独”な存在であることを暢子は肌身に感じる。
それは彼女が乗り越えるべき課題なのだが、自分が何とかしなければと暴走し始めるのが兄の賢秀だ。彼は「貧しい妹の力になってあげたい」とまたもや養豚場を辞める。どうやら暢子が開店資金が足りなくて困っていると思い込んでいるらしい。
寛大(中原丈雄)から借りたお金をギャンブルにつぎ込み、ドカンと一発当てて暢子を支援しようとする賢秀。しかし、上手くいくはずはなく、お金は水の泡と消える。一方で良運には全く恵まれないが、悪運にはなぜか強いのがこの男。ちょうどいいタイミングで、詐欺師の我那覇(田久保宗稔)と再会するのだ。