磯村勇斗×北村優衣×宇野祥平『ビリーバーズ』鼎談 3人で作り上げた独自の世界の裏側
映画『ビリーバーズ』が、7月8日より公開される。カルトの世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した山本直樹の同名漫画を映画化した本作。とある孤島で暮らす、「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人の男女が極限状態まで追い詰められたさまをリアルに描くことで、人間の本性を炙り出していく。
孤島での3人の変化が物語の行方を左右する本作だけに、3人を演じた俳優のプレッシャーも大きかったのではないだろうか。リアルサウンド映画部では、「オペレーター」役の磯村勇斗、「副議長」役の北村優衣、「議長」役の宇野祥平の3人に、本作について存分に語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
<リアルサウンドYouTubeではインタビュー特別編も収録!>
通じ合えるきっかけとなった「足裏を合わせるシーン」
ーー公開を間近に控えた今の気持ちはいかがですか?
磯村勇斗(以下、磯村):観客の皆さんの感想が本当に待ち遠しいです。僕たちキャストもスタッフの皆さんも一生懸命作った作品だし、そのエネルギーは間違いなく届くんじゃないかな。
北村優衣(以下、北村):まずは無事に上映できることが嬉しいですし、磯村さんがおっしゃったように、皆さんがこの作品をどう受け取られるのかが一番楽しみです。
宇野祥平(以下、宇野):もう2人がほぼ言ってくれたようなものなんですが……(笑)。でも、本当にこうして公開を迎えられることも、磯村くんの初主演映画に北村さんと共に参加できたことも改めて嬉しく思います。
ーー3人のかけ合いが物語の行方を大きく左右する本作ですが、共演にあたって具体的なディスカッションはあったんでしょうか?
磯村:特にお芝居の話などをすごくしたわけでもなかったのですが、初日からすでに通じ合っている感じが不思議とありました。北村さんも宇野さんも相手の演技をきちんと見て、受けて、それに応えていくスタイルの俳優さんですし、自分もそう心がけているので、何かをするとみんながそれぞれリアクションをする……という流れがすごく気持ちよくて。まさにトライアングル! といった感じでした。
北村:作品によってはシーンの前に何度もセリフ合わせしたりすることもあったんですが、今回はそれが全くないことに驚きました。でも、それがすごく新鮮で、その場で生まれたものを受け取りたいという気持ちに自然となれた。それは本当にお二方のお芝居のおかげだと思います。あと、3人で足裏を合わせるシーンがあったときに、すごく通じ合えた気がしました(笑)。人と足裏を合わせることなんてなかなかないじゃないですか(笑)。
宇野:自分の足なんか合わせて大丈夫か不安でしたね(笑)。病院にも行きましたから。
磯村:病院にも行ったんですか?
宇野:行ったよ! だって若い2人と足裏合わせるなんて……(笑いを堪える磯村と北村を見て)なに、その反応(笑)。
北村:ずっと「水虫じゃないから!」って言っていましたよね。
宇野:そうそう。本当に病院に行って……。
磯村:調べてくださったんですね。冗談なのかと思ってました(笑)。
磯村:どのシーンも濃厚でしたからね……。
北村:私は、過酷というより「楽しかった」という印象の方が強いです。もちろん、海が冷たかったり、よくわからない虫に刺されたり、いろいろありはしたんですが(笑)。
宇野:お二人は地面の穴に入るシーンもありましたよね。
磯村:(北村の方を向き)穴、どうでした?
北村:あれは大変でしたね。雨も降っていたので、土が水を含んでて、重たくて。足を動かせないのがすごくしんどいんですよね。
磯村:そうそう、足を動かせないストレスがすごかった。撮影前半は雨が多かったから、自然と水たまりや泥がどうしてもついちゃっていたり……。スニーカーがいつも濡れていたんですよ。あれはきつかった。
北村:本当にそれで水虫になるかと思いましたよね(笑)。
磯村:そうそう(笑)。宇野さんと靴を間違える瞬間があったりして。
宇野:まあ、僕は病院に行ったんですけど。
一同:(笑)。
ーーそういう苦労も役作りに生きていきそうです。
磯村:まさにそうですね。そういう苦労も、映画作りに欠かせない要素だし、その時間がスクリーンの中でも生きていると思います。