『ちむどんどん』歌子と視聴者を惑わす智ニーニーがズルい! “あざとい”行動を振り返る
「砂川智(前田公輝)は罪な男である」
いつか『ちむどんどん』(NHK総合)語り役のジョン・カビラが、ツッコんでくれないだろうか?
その“罪”の被害者(?)となっているのは、ヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)の妹・歌子(上白石萌歌)だ。彼女は幼いころから智に恋心を抱いている女の子。彼が上京してからは、離ればなれになっていたが、東京で再会したときの様子を見ると、やはり“智ニーニー”のことを想い続けている様子である。思えば智は、歌子の初恋を収束させるどころか、思わせぶりな態度&キュンとくる台詞を吐いて、気持ちを燃え上がらせる“ズルい”行動ばかりをしてきた。
やはり一番に思い出されるのは、小学校時代の運動会だろう。足の遅い歌子(子役・布施愛織)は、智(子役・宮下柚百)に徒競走のコーチをお願いするも、本番では健闘むなしく、ビリになってしまう。智は落ち込む彼女に「俺にとっては、歌子が1等賞」と手づくりのメダルをかけた。この優しさが、歌子の気持ちを動かすことになる。
彼女の想いは成長してからも消えることはなかった。それと同時に、智の心の中には暢子がいることも知っていた。智にとっても暢子が初恋の相手……複雑ではある。
彼の本当の気持ちにいち早く気づいた歌子は「好きなんでしょ? 暢ネーネーのことが」と声をかける。智は大慌てで否定するが“バレバレ”。彼が立ち去ったあと、歌子は小さく「バカ」とつぶやき、メダルを眺めるのだったーー。このとき、確実に歌子は智に恋をしていた。彼は兄・賢秀(竜星涼)の同級生だから6歳差。(※)年齢は離れているが、幼なじみのお兄ちゃんに、あんなに優しくされたんだから、好きになるに決まっているじゃないか!
暢子が東京で働きだし、鶴見に下宿することが決まったときもそうだ。智は歌子に「いよいよ次は俺の番か。俺も東京に行く。商売の修行をするなら、やっぱり大都会」と述べ、鶴見で働くことを明かす。歌子が「暢ネーネーも一緒?」と問うと、智は“またも”慌てて「そっそれは、それはたまたま。のっ、のぶ、暢子は関係ないさ」と否定した。そして最後に笑顔でこう告げる。「(東京に行くことは)まだ誰にも言っていない。歌子だけ特別」。天然の行動とはいえ、あざとい……あざといぞ智!