『ナンバMG5』『結婚できない男』『着飾る恋』 ドラマに花を添える“愛され犬”
6月22日に最終回を迎えた『ナンバMG5』(フジテレビ系)。涙なしでは語れない剛(間宮祥太朗)の“二重生活”に多くの人が心を突き動かさ、伍代(神尾楓珠)や大丸(森本慎太郎)との熱い友情、深雪(森川葵)との淡い恋物語、極め付けは兄・猛(満島真之介)を筆頭とした家族との対立からの和解と、豪華キャスト陣が正面切ってぶつかり合う本気の姿には胸が熱くなった。しかしここで忘れてはならないのが、本作を彩った重要なキャストが人間だけではないということだ。『ナンバMG5』のもう一つの魅力こそが、難破家の愛犬・松(声:津田健次郎)の存在である。
第1話から物語の語り部として活躍し、そして誰よりも早く剛の秘密を知り、どんなときでも難破家に寄り添ってきた松。剛のことをアニキと慕う松は、まさに、信頼できる大切な家族の一人だ。加えて本作では、松に津田健次郎の声が当てられることで、感情が言葉としてはっきりと視聴者の元に届く。柴犬らしい堂々とした演技に津田の声が加わることで、ますます松の心情に感情移入してしまうのだ。松が家族となかなか分かり合えないとき、そして幼少期の剛との回想シーンでは、筆者もつい自分の愛犬のことを思い出し心が締め付けられるような思いをしたものだ。愛犬家にとって松の存在は、作品をさらに奥深くし、難破家という特殊な家族に早い段階で親近感を持つきっかけにもなっただろう。
実はこれまでも犬が活躍するテレビドラマは多数あった。『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)のとろろ、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)のこうじ、『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)では麻宮祥子(深川麻衣)の飼い犬おとめ、『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK総合)にも多数の犬が登場するなど、主人公とそれを取り巻く人々の大切な家族として活躍してきた。視聴者の心を掴む愛らしさはもちろん、現場を華やかにする存在感、共演者の自然な表情を引き出す大切な役割も担う。時には共感を呼び、涙を誘う名芝居も飛び出す“小さな共演者”はドラマにとってなくてはならない存在だ。
『結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)のケン、『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)のタツオらも印象深い名俳優犬だっただろう。とくに、タツオを演じたパグ犬・田中太郎は、このドラマでの演技力が注目され岡山県警赤磐署の年末年始の事件事故防止を啓発する「対策犬」に任命されるほどの活躍ぶりだ。仕事でドラマ出演をする俳優犬だが、実はよく目をこらしていると彼らがCMや雑誌などでも活躍していることに気づくことがある。推し俳優と共に、推し俳優犬を見つけるのも案外楽しいものである。
松に注目の『ナンバMG5』は「全開バリバリでアリガト」編と題して6月29日に特別編が放送される。特別編では最終話のその後として、松が大活躍する内容になっている。「あることにショックを受けた松が家出を決意し、あてもなく街をさまよっていると、たまたま剛のツレ(友人)の伍代(神尾楓珠)と出会い……」という物語とあり、再び難破家が集結、伍代も登場という熱い内容になりそうだ。多くの視聴者を夢中にした松がどんな“大活躍”を見せてくれるのか、最後の勇姿を見逃せない。
■放送情報
『ナンバMG5』「全開バリバリでアリガト」編
フジテレビ系にて、6月29日(水)22:00~22:54放送
出演:間宮祥太朗、神尾楓珠、森川葵、森本慎太郎(SixTONES)、富田望生、原菜乃華、加藤諒、満島真之介、鈴木紗理奈、宇梶剛士ほか
原作:『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』小沢としお(秋田書店『少年チャンピオン・コミックス』刊)
脚本:金沢達也
演出:本広克行
プロデュース:栗原彩乃
編成企画:上原寿一
制作・著作:フジテレビ第一制作部
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nanbaMG5/
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