『ちむどんどん』暢子の成長で「ありがとう」の輪が 和彦や良子の性別問題も“形勢逆転”へ
自分のいいところ、そして自分らしさとは。それが『ちむどんどん』(NHK総合)第11週「ポークとたまごと男と女」で、暢子(黒島結菜)が探し求める答えだ。
料理長の二ツ橋(高嶋政伸)が全治1カ月の怪我をしてしまったことを機に、暢子はシェフ代行をオーナーの房子(原田美枝子)から命じられる。しかし、暢子が房子の親戚であることも助長して調理場の雰囲気は最悪に。女だから舐められているという発想の賢秀(竜星涼)による「何があっても謝らない」というアドバイスも余計に空回りし、暢子はシェフ代行失格の危機に立たされていた。
もともとシェフ代行に暢子を推薦した二ツ橋や会長の三郎(片岡鶴太郎)から自分らしさについてのヒントをもらいながらも、それを上手く解釈できていなかった暢子。最後の一押しとなったのが「『ありがとう』と『ごめんなさい』を大きな声で言えるところ」という優子(仲間由紀恵)からの具体的な言葉だった。
自分らしさの答えが見つかった暢子は、フォンターナに出勤して、まずは「ごめんなさい」とシェフ代行として迷惑をかけてしまってことを謝罪する(皮肉にも“朝ドラ受け”で博多華丸が指摘していた、賢秀が言った逆のことが答えになっている)。そして、二ツ橋と同じようにシェフ代行ができるはずがないこと、素直にほかのみんなの知恵や力を借りるべきだったことを反省し、「男とか女とか関係なくお客様の笑顔のためにできることを精一杯やります」と意気込むのだった。言葉だけでなく行動に移していく暢子に、厨房全体にも「ありがとう」の輪が広がっていく。結果的に暢子は、二ツ橋が戻ってくるまでの1カ月間をシェフ代行として勤め上げた。その経験からそれぞれの担当の立場や気持ちを理解し、料理人として暢子はまた一歩階段を一つ上がったのだった。