高野洸、『明日カノ』で発揮する“シゴデキ”ぶり 意外なキャスティングがハマリ役に

 周りに流されず、私は“自分”を持っていると自負する萌。だからホストになんか絶対ハマらないと高を括っていた彼女の人生を大きく狂わせるのが楓だ。だからこそ楓が魅力的なキャラクターでなければ、視聴者の心は離れてしまう。しかし、高野は登場した瞬間から“沼落ち確定”の雰囲気を放っていた。楓は物腰の柔らかさと細やかな気遣いで他のホストとは一線を画す。萌に無理やりお金を使わせることもなく、ひたすら特別扱いして彼女の「自分は主人公になれない」という孤独を埋めていくのだ。

 一見善良な楓について、以前のインタビューで「意外と闇がありそう」「原作を見ると楓って目の奥が暗くて、自撮りも笑ってなくて、そういう闇感が密かに好き」と語っていた高野(※)。ここでも彼の分析力の高さが存分に発揮されており、楓の言動の端々にこれ以上関わったらヤバイという危険信号が点滅している。例えば、萌がスカウトを断ったと知り、少し間をおいて「良かった。悪い人もいるから気をつけてね」と声をかける楓の表情は明らかに残念がっていた。もっとお金を稼いで店に落としてね、という本音が見えてくるかのように。

 けれど、高野は微塵も冷静になる隙を与えず、疑いかけた瞬間に優しい表情と振る舞いで萌と視聴者を骨抜きにする。とてつもない葛藤を生み出しているのだ。まさに楓と同じく、“シゴデキ”(=仕事ができる)っぷりを発揮している。

 そんな楓沼から萌や私たちは抜け出せることができるのだろうか。6月14日に放送される『明日カノ』第10話では、ついにホストクラブに通うお金を稼ぐため、萌が風俗で働き始める。萌にはこれ以上傷つかず、穏やかな日常を取り戻してほしい、だけど高野が演じる楓をもっと見ていたいという相反する気持ちを抱きながらホスト編の完結を見届けたい。

参照

※ https://shueisha.online/entertainment/17278

■放送情報
MBS/TBSドラマイズム『明日、私は誰かのカノジョ』
MBS/TBSにて放送中
MBS:毎週火曜深夜0:29〜/TBS:毎週火曜深夜1:28〜
出演:吉川愛、横田真悠、齊藤なぎさ(=LOVE)、箭内夢菜、楽駆、井上想良、ゆうたろう、福山翔大、藤原樹(THE RAMPAGE)、高野洸、宇垣美里ほか
監督:酒井麻衣、近藤幸子、菅原正登
脚本:三浦希紗、川原杏奈、イ・ナウォン
原作:『明日、私は誰かのカノジョ』をのひなお(サイコミ/Cygames)
オープニング主題歌:Amber’s 「Desire -欲情本能-」
エンディング主題歌:DUSTCELL「足りない」(KAMITSUBAKI RECORD)
製作:「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
(c)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
公式サイト:https://www.mbs.jp/asukano/
公式Twitter:@dramaism_mbs
公式Instagram:dramaism_mbs

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